日本料理を始める人がまずはじめに手にする薄刃包丁。おもに野菜を切るために使います。この薄刃包丁とのつき合いは料理人である限り一生続き、時間的にも一番長く握ることになるでしょう。
それほどまでに野菜は日本料理において重要な位置をしめている素材。野菜を洗って切って調理する。この基本の仕事を野菜ごとに解説したのが本書です。
野菜ごとに旬を四季に分け、それぞれの特徴、調理のポイント、実際の下処理、基本の味つけ、そして料理まで、日本料理独自の手法をていねいに解説しています。
「プロは基本を繰り返す」という言葉がありますが、若い調理師たちが、これからの新しい仕事にむすびつけていくためにも、昔から伝えられてきた基本をしっかり身につけることが大切です。
第1章と第2章で構成しています。
まず第1章では野菜調理のための基本中の基本を解説。最初に野菜調理をするための道具について。包丁とむきもの、飾り切りの道具です。そして次にこれらの道具を使って仕事をするときの姿勢や包丁の持ち方、使い方を解説。
次はいよいよ野菜の切り方。基本の切り方はなんといっても「桂むき」です。
そして輪切りや角切りなどベースの形に切るための工程を解説。一見簡単そうに見えますが、なかなかこれがむずかしい。ここでは均一に美しい形に切るためのコツを教えてくれます。
第2章は野菜ごとの解説編。日本料理でよく使う野菜を春夏秋冬に分類し、下処理、切り方、味つけ、料理までを現場目線で実用的な内容を盛り込んで解説しました。
引きやすいように、項目のタイトル部分を共通にしました。項目の野菜名を大きくして、季節ごとに色を変えた帯をつけています。
素材としての野菜の写真と解説、調理のポイントなどをコンパクトにまとめました。下処理、切り方、味つけなどの基本部分はプロセス写真を多数使ってわかりやすく解説しています。
※本書は2000年発行の『野菜調理の基礎』に掲載された内容をもとに、再編集したものです。
そして何より若い調理師さんたちが毎日の仕事に役立てていただくために、手に取りやすい手軽な価格としました。
*編集部だよりは、こちら