人気和食店『賛否両論』マスターこと笠原将弘氏が本書で紹介してくれたのは、『賛否両論』の味をつくるだしやたれ、合わせ調味料の数々。
修業時代に覚えた定番的なものから、店をはじめてから工夫を重ね、作り上げたものまで。作りためたレシピを一挙に公開していただきました。
また後半では、仕込みものや常備菜など、作っておくと便利な「料理屋の作りおき」も合わせて掲載。
これらの調味料や作りおきを活用して作る料理も、121品ご紹介しています。
特に低価格帯のお店や、臨機応変な対応が求められるカウンター割烹、少人数で営業する小規模店などに必要なお役立ちアイテムが満載。
食材を無駄にせず、上手に活かすための知恵が詰まった1冊です。
大きくは「だし・たれ・合わせ調味料」と「便利な作りおき」の2部構成になっています。
「だし・たれ・合わせ調味料」は、だし、調味だし、ご飯炊き地・寿司酢、たれ・ソース・漬け床・漬け地、合わせ味噌、合わせ酢・ドレッシング、ジュレ・あん、和え衣、揚げ衣、つけ醤油・つけ塩、変わりおろし、野菜ピューレ、デザート用ソースの順に275種をご紹介しています。
「便利な作りおき」は、野菜や乾物の煮浸しや含め煮、漬け物類。魚介や肉の下調理済み素材など、その日のコースに合わせて仕込んでおくものや、急な注文に対応できるよう準備しておくもの。数日の保存が可能で、さまざまな料理に展開できるものを中心に52種をご紹介しています。
だし・たれ・合わせ調味料類は、色や濃度が分かりやすいよう白い小皿に入れて1つずつ撮影した写真を、切り抜きで掲載しています。
作りおき類は、白いホーローやバットなどに入れたものを、こちらも切り抜き写真でご紹介しています。
使い勝手を重視して、これらの写真の大きさや位置は固定し、「活用料理」の写真とレシピをまじえながら、使いやすく、必要なものが探しやすいレイアウトを心掛けました。
それぞれのレシピの下に、「用途」として、どんな料理や素材に合うかといった使い方を、また「保存」として、保存方法と保存期間の目安も記しています。巻末には「だし・たれ・合わせ調味料」「便利な作りおき」「活用料理」の3つの索引を付けました。
特殊な素材や高級食材を使わなくても、ちょっとした工夫で料理の価値は上げられると、あらためて気づかせてくれる1冊です。
ほとんどが、実際に『賛否両論』で使っているものをそのままご紹介していますので、プロ向けの本ではありますが、作り方は簡単で材料も身近なものがほとんど。充分一般の方にもご活用いいただけると思います。
特に野菜ピューレや美しいジュレなどは、簡単に料理の見栄えをよくしてくれるすぐれものですから、おもてなしにも役立ちそうです。
*編集部だよりは、こちら