訪日外国人客から注目度の高さで知られる日本料理店、『傳』。
東京風の伝統日本料理を下敷きとして、「ビギナーや外国人にもわかりやすく」「だれでにでもストレートに響くおいしさ」を提供して、国内外にファンを増やしています。
当世、ストイックなこだわりを追求するだけでは日本料理の裾野は広がりません。大切なのは、外国人はもちろん、日本の若い世代の「日本料理を知りたい、食べたい」という素朴な興味にいかに向き合うか。傳のコース戦略、味づくり、プレゼンテーションの工夫は、今後ますます増える訪日外国人客を迎える料理店や旅館にとって大きなヒントとなるはずです!
※本書は日本語・英語を併記しています。
現代の美食家にとって国境は存在しないも同然で、おいしいものを目指して気軽にどこにでも飛びます。彼らのほとんどはとくに日本ツウでも、日本文化マニアでもなく、ただただ美味しくて心地よい体験を求める人びとです。その期待に応える「おもてなし」とは何なのか、最初ひとくちで日本料理ファンになってもらうにはどうすればよいか――。その命題が、傳における進化の原動力。“日本料理ならでは”のおいしさを“ユニバーサルなもの”にする、という考え方に注目です。