2012年に小社が刊行した、中西彬氏の『煮物 炊合せ便利帳』の姉妹版で、中西氏の跡を継ぎ、「有馬温泉古泉閣」総料理長を務める森本泰宏氏が作る、焼物とそのあしらいの料理集です。使用した食材は、魚から甲殻類(エビやイカなど)、肉、野菜、加工品(豆腐やコンニャクなど)まで108種類で、掲載料理は368品。「鮎塩焼」「筍つけ焼」などのオーソドックスなものから「押し蓮根二度焼」「猪大和焼」といった応用まで素材別に幅広く収録しています。またそれらの料理に添えられているあしらいも定番の「はじかみ」や「染め卸し」だけでなく、「南瓜酢漬」「黒皮茸安倍川」など、工夫に富んだものが多岐にわたっています。前著同様、必携の書です。
料理は素材別におおまかな旬にしたがって、春夏秋冬順に配列しています。そのため使用素材から探しやすいように、各章扉にアイウエオ順の簡易索引をつけました。またあしらいについても、巻末の索引から素材別に探せるようにして利便性を図っています。なお料理写真とレシピ集のほかにも、串の打ち方の種類や、焼きだれや漬け床の種類、宴席に欠かせない尾頭付きの鯛の焼き方などについても別にコーナーを作って解説しています。
◆担当編集者より
日本料理の「焼き物」を扱った単行本は意外と類書がありません。それは作りおきがきかず撮影が大変であること、柚庵焼や若狭焼など定番の料理の完成度が高くて下手に工夫すると現実味の乏しい料理ばかりになってしまうことが原因です。しかしそうした難題を見事にクリアし、実用性の高い料理ばかりで264頁もの本を世に出すことができました。それもこれも著者と厨房スタッフの高い実力があってこそ。ぜひその成果をご覧ください。
*編集部だよりは、こちら
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