道の駅や青空マルシェの人気で、新鮮な野菜が手に入りやすくなった昨今。「野菜をたくさん食べたい」「もっとおいしく食べたい」という声は高まるばかりです。
「ラ・ブランシュ」をオープンした30年以上前から《野菜》に価値を見出し、積極的にメニューに反映させてきた田代和久シェフは、野菜料理の第一人者。じっくりこんがりと焼く、強めの塩加減でゆでる、丸ごとローストするなど、今日から取り入れられるシンプルな方法で、身近な野菜をこれまで以上においしく食べる秘訣を紹介します!
本書では14種類の野菜を取り上げています。
トマト、キャベツ、じゃがいも、アスパラガス、かぶ、たまねぎ、ズッキーニ、なす、きゅうり、とうもろこし、大根、にんじん、青菜、豆……どれも手に入りやすく、シェフがふだん使っているものばかりです。
たとえば、p52「焼きかぶのサラダ」やp64「新たまねぎのヴルーテ」、p68「たまねぎのタルトとアイスクリーム」、p100「とうもろこしの網焼き」などは、お店の定番メニューでファンの方にはおなじみの料理。p23の「キャベツのサラダ」やp62「たまねぎのミ・キュイ」、p96「板ずりきゅうりときゅうりソース」は前菜や魚料理の付け合わせによく登場しますし、p15の「トマトのサラダ」はまかないにもよく出てきます。
……というように、どれも「シェフが好きな野菜の食べ方」そのもの。レシピを見れば、意外なほどシンプルなことに驚かれるでしょう。そのシンプルさを支えるのが、野菜の切り方や塩、コショウ、ハーブづかいなどの、プロならではのポイント。といっても、難しくはありません。「塩、コショウと一緒にグラニュー糖をふるときれいに焼き色がつきますよ」「ハーブを最初から入れると苦みが出るから、野菜に火が通ったところで加えます」といったちょっとした秘訣で、野菜はグンとおいしくなります。
ぜひ、田代シェフのレシピで野菜料理のバリエーションを増やしてください。
本書の撮影時の合言葉は「私でも作れるように教えてください」。使う野菜は基本的に1種類、お肉やお魚はほとんど使いません。だしも使いません。でも、どのレシピもひと味違います。「トマトにこんな一面があったのか!」「かぶは焼いてもおいしいんだ」と、野菜が好きな方ほど楽しんでいただけると思います。