まだ海外に料理修業に出る料理人がほとんどいなかった1970年、単身ヨーロッパに渡り、日本人として初めてアラン・シャペル氏に師事した音羽和紀氏。
氏はまた、多くの料理人が東京に店を出すことを当然のことと考えていた当時、故郷の宇都宮で、地産地消のフランス料理店を作り、それを理想の形へと着実に進化させてきました。
地元の生産者やお客様とのつながりを大切にし、故郷に愛されながら、世界とつながることもできるレストランは、どのようにして生まれ、継続し、次の世代へとバトンを渡すことができたのか。これからの料理人、そしてレストラン経営の指針ともなるその軌跡とメッセージを、200余品の料理とともに贈ります。
目を引くのは写真の美しさ。料理写真はもちろん、素材や建物や人物も、美しくそして力強い写真によって表現されています。
第1章の「思いを形に」は、音羽氏が料理人を目指してヨーロッパで修業を積み、帰国して故郷にレストランを構えるまでの経緯と、料理や料理人の役割などについての考えをまとめた章。
第2章と3章の「素材と料理」は、地元の生産者の写真を交えながら、季節の素材を使った料理を写真とレシピでご紹介した章。
第4章は「つながる」と題し、他県の生産者とのつながりを、料理と合わせてご紹介しています。
最後の第5章「つなぐ」では、地元の人々とのつながり、次世代への継承など、レストランを長く継続するために大切なことをまとめています。