平日でも開店待ちの行列ができる福岡の超人気店「パンストック」。オーナーシェフの平山哲生さんは、今もっとも注目されているパン職人の一人です。同店のパンの特徴は、数種類の自家製酵母種と微量のイーストを加えて長時間発酵させた、旨みが濃く口溶けのよい生地。どのようにして、求める味・食感の生地に仕上げるのか? 「酵母」「酵素」「pH」「グルテン」「でんぷん」をキーワードにした、平山さん独自の生地づくりに迫ります。
本書の前半は、ミキシングから発酵、焼成までのパンづくりの各工程のポイントを、店の看板商品であるパン・オ・ルヴァン「パンストック」を例にとって解説。また、バゲットや食パン、デニッシュなど、お店の核となるアイテムの生地づくりを、詳細なプロセス写真を添えて紹介します。
後半は、前半で紹介した生地を使った調理パン・菓子パンを、レシピ付きで紹介。その数約50品! 平山さんの生地づくりの考え方からメニュー開発の手法までをまとめた、充実の内容となっています。
1〜2頁大に引きのばした生地の断面写真に注目! ボコボコと気泡のあいた艶やかな生地を見れば、そのみずみずしい食感、口溶けのよさがわかろうというもの。
また、ふんだんに載せたプロセス写真は、あえて大きさを統一せず、生地の状態や手の動きがよくわかるよう、必要に応じて大小取り混ぜて配置しています。写真を目で追うだけでパンづくりのポイントを理解できるレイアウトも、本書の特徴です。