※2024年11月に価格改定を行いました
日本料理にとってだしは極めて重要な存在です。
どんな素材を使ってどうとるか? 本当に納得のいくだしをひくために大切なことは何なのか? ただやみくもに探っていては、時間ばかりかかってしまい、効率的ではありません。大事なのは、多くのだしに触れると同時に、科学的な根拠に裏打ちされた「だしの仕組み」を理解することです。
そこで本書では、だしにこだわりをもつ東西7人の料理人に74のだしを、それを生かす料理とともにご紹介いただき、科学的なデータをもとにした解説を加えました。また、大きな視点でだしを捉え、だしの本質とその重要性、可能性についても論じています。
だしを根本的に理解して、自在に使いこなすために役立つ1冊です。
第1章でだしと料理をご紹介いただいたのは、『日本料理 晴山』の山本晴彦氏、『虎白』の小泉瑚佑慈氏、『多仁本』の谷本征治氏、『てのしま』の林亮平氏、『木山』の木山義朗氏、『日本料理 翠』の大屋友和氏、『うぶか』の加藤邦彦氏。だしのとり方にはプロセス写真を添え、川崎寛也氏(味の素株式会社)による解説を付しました。また、「他ジャンルのシェフの和だし使い」として、『スブリム』の加藤順一氏と『ドン ブラボー』の平 雅一氏の例を紹介しています。
第2章は「おもなだし素材」。第3章は「だしを考える」とし、川崎氏による「一番だしの調理科学」「『だし』のサイエンスとデザイン」、そして川崎氏と『てのしま』店主林氏による対談も掲載しています。
◆担当編集者より
弊社には「だし」をテーマにした既刊本が2冊あり、これらとの差別化が大きな課題でもありました。ただお願いする料理人さんを替えて、だしや料理を羅列するだけでは、新しい本を作る意味がないとのご指摘は、とても腑に落ちるものでした。そこで、料理人さんからの信頼が厚い川崎氏(味の素株式会社)に執筆を依頼。「科学」の部分を強化した1冊としてまとめることになりました。個人的には、最後の対談がとてもおもしろかったです。