旧フランス領インドシナ(ラオス・カンボジア・ベトナム)で受け継がれてきた古典料理を46品掲載。
1954年にインドシナ3国がフランスから独立して以降も、仏印的な食文化は各地で受け継がれてきたものの、21世紀以降は経済発展やIT化、それに伴う都市化の影響を受け、古典料理も姿を消しつつあります。
「インドシナ」という呼称も消えゆくなか、かつては確実に存在していた仏印の食文化をていねいに拾い上げ、その調理技術や食材・調味料使いなどのアイデアを伝えます。
本書でご案内する「インドシナ三国」とは具体的にラオス・カンボジア・ベトナムを指します。その共通点は、インドシナ半島に位置し、少し昔にフランスの植民地政策下に置かれていた国々であったこと。
1887年にはじまり67年後に消えた彼らのコロニアルな生活様式と食文化は、宗主国であったフランスに加え華僑の影響を受け、さらに南国のゆたかな自然に恵まれ成熟しました。
一方、経済活動の急速な画一化により、それらはかつてはたしかにあったけれどいまは消えゆく幻のような存在になりつつあります。
この本や、私たちが東京で構える小さな料理教室を通して、かの美しい世界を少しでもご案内できることを願います。
アンドシノワーズ 園 健・田中あずさ
(「この本について」より)
(「この本について」より)