前書『新ふぐ調理師必携』から、約15年ぶりの大幅刷新です。
本書は2021年から導入された「ふぐ処理者」認定試験に準拠していますので、資格試験対策本としてご活用ください。とくに、実技試験で最重要となる「除毒処理」工程は、注意すべきポイントや受験者が間違いやすい箇所をより詳しく、一部は動画付きで、フグの取り回しや包丁の入れ方をわかりやすく解説しています。さばき方は、東京(二枚はぎ)、大阪(背から一枚はぎ)、京都(腹から一枚はぎ)の3種を掲載したので、地域ごとに異なる手順・仕上げの参考にしてください。また、種類鑑別に役立つ「フグ図鑑」の一部は3D画像とリンクし、立体的にフグ標本を観察することができます。
本書は、最新のふぐ料理のバリエーションと、貴重なメニューアーカイブも充実。ふぐ料理は全127品、ポン酢は計11種を掲載しています。また、試験用とは異なる「営業店向け」のさばき方では、基本となる丸フグの効率的なおろし方から、小型フグのぐるむき、大型フグの扱い、皮下組織(とおとうみ)を身側に残す方法など名店の技法をたっぷりと紹介しています。
◆担当編集者より
この10数年ほどの間に、東日本から北陸・東北地方、北海道でフグの漁獲量が増えていると聞きました。ふぐを食す地域が広がるのは喜ばしい反面、まずは安全に提供されることを願っています。本書がそのお役に立てば幸いです。