売れなくなってしまった店、流行りに振り回される業態、意欲を失う従業員たち…。ダメになったお店をどうしたらいいか。いま繁盛しているお店も、いつかは下降線が待っているもの。ある日突然、お客さまがその繁盛店に「飽きて」しまう。そうならないためにはどうしたらいいか。その答えが「再生(リノベーション)」です。
「紅虎餃子房」のヒットモデルをはじめとし、チェーン業態から高級・中級業態まで幅広く約340店舗を展開する際コーポレーション社長の中島 武氏が、自身の経験を踏まえて初めて明かす「事業再生」の方程式。
本書は、その貴重なノウハウがぎっしり詰まった、真の事業再生のための1冊です。
飲食も旅館もメーカーも自治体も、男も女も、いまこそ「再生する底力」が必要です!
中島社長の経験則を、わかりやすい口調で語ります。文章の軽快さを生かすため、文字は「大きく&読みやすく」を意識した文字組みに仕立てました。余白も多めに取り、経営書としてはかしこまらず気軽に手に取っていただける雰囲気です。
読んでいて面白く、すっと心に入ってくる文章ですが、実はその言葉には重みがあります。最初の1回目は、1時間半程度で読破できるでしょう。しかし、迷った時、不振に困ったときには、ぜひ何度でも読み返してください。そこには苦難を乗り越えて成功した実務家ならではのヒントがたくさん含まれています。
本書は、中島氏がこれまでに手がけた事業から「不振に陥ったが見事に立て直した実例」を数多く収録しています。もちろん、自社店舗だけではありません。他社から依頼を受けての再生ビジネスにも数多く成功しています。とくに宿泊業での中島氏の再生手腕は現在非常に注目されています。
また、飲食業のさまざまな業態、和食店、イタリアン、中華料理店、喫茶店、ファミリーレストラン、バーなどについて、不振になりやすいケースとその対処法を明快に語りおろしました。自店の業態と照らし合わせて、参考にしてください。
さて事業再生の核となるのは、やはり「商品力の復活」ですが、その前に必要なことがあります。それは「自分(自社、自店)を客観視すること)」。中島氏は「そのお店は、はたしてモテそうですか?」と問いかけます。
異性にモテるかモテないかは、誰もが一度は心を砕いたことのあるだろう問題。店を再生する方法論はそれと同じことだと、中島氏は言います。
もしかして、あなたの大切なそのお店、モテていないのではありませんか?ひょっとして、泣いていませんか?
本書が意義深いものとなったのは、店が不振となる失敗原因を冷静に探り、それにどう対処するか、どのように考えるかを、中島氏が多彩な経験をもとに率直に語っている点です。
成功者が悪いところを悪いと認め、さらに良くしていくのは、実は容易ではありません。これまでの自分を捨てて、一から取り組む。その経験の道のりこそが再生において本当のノウハウといえるでしょう。飲食業を始め、商売をしている、あらゆるビジネスマンの方に、ぜひおすすめしたい1冊です。