アメリカ型の訴訟社会になりつつある日本では、分野・ジャンルを問わずクレームの発生が急激に増えています。特に飲食業をはじめとするサービス業においては、消費者主導の位置関係がクレーム多発に輪をかける傾向が強いもの。
著者は、クレームをおそれている限り現場仕事は成立しないとして、積極的にクレームに対応する姿勢、防御および対応技術の向上を前提に本書を著しました。
もっとも大事なことは、クレーム客を店のファンに変えること。潜在的なクレーム客が何も言わずに二度と訪店しないことに照らすなら、クレームは、発信者がファンになり得る可能性があり、そのアピールと捉えています。
笑顔の応対ひとつでクレーム客の態度は軟化します。もしヘラヘラ笑っているように捉えられれば、それは逆効果に。確かに、誤解を受けやすい接客者もいます。だが、決して愛想は良くないものの、真摯に取り組む姿勢が感じられれば、顧客の怒りの矛先も和らぐというものなのです。
本書は、誰でもクレームに対し強いスタッフになれるような道筋を詳解しました。分かりやすいイラストとの併記で、こんな時、あんな場合の対処の仕方が理解できます。『クレーム報告書』のひな型も載せているので、データ蓄積にぜひご活用ください。
新書判でビニール装のため、この手の本としては携行性、使い勝手もよくなっています。必携して緊急時に役立ててもらえれば幸いです。
第1章では、クレームが発生した時に対処する方法を述べています。仮に経験の浅い接客者でも、この対処法により通常のクレーム対応ができます。
第2章では、クレームとは何か。クレーム対応の本質的な目的はクレーム客を店のファンに変えることであり、クレームを理解することでリピーターを増やすことができます。
第3章は、顧客に納得してもらえるクレーム対応には欠かせないクレームのポイントを詳解。
第4章では、クレーム対応の達人になるためのクレームの分析技術について。顧客の心理を考えた対応ができるようになるには不可欠な要素です。
第5章は、悪質なクレーマーに対する時の秘訣。