チェーンストア経営研究会『ペガサスクラブ』を主宰する著者は、チェーンストア理論の第一人者。40年余にわたり、小売業、フードサービス業の経営原則について語り続けてきました。
そしていま、新世紀にふさわしい『本物のチェーンづくり』が必要と説きます。これからのフードサービス業に求められるのは、生産工学に基づいた科学的な分析と視点。
マニュアルを“可視化”させる、つまり、適正・適切な数字、数値に置き換えることにより、フードサービス業の『あるべき形』が見えてくると語っています。市場形成40年を経ていま、フードサービス業は本格的な産業化への入口に差しかかっています。
※本書は、『月刊食堂』連載の「本物のチェーンをつくろう」、既刊本『外食業 王道の経営』(上・下巻)をもとに大幅に加筆、再構成したものです。
本書は、本物のチェーンづくりをめざそうという人たちを対象にした、人づくり、組織運営に必須の経営ノウハウを理論体系として解説したもの。
著者は、「フードサービス業大手は、大きな社会的貢献をしている」存在と位置づけ、個店・生業店との線引きを明確にしています。これから先、あるべきチェーン業態とはどういうものか、ディテールに踏み込んで述べます。
『戦略』『経営戦略』『戦術』は、その目的も定義も重点とすべき力点も、それぞれ異なります。当然、その使い方も実行者も異なるのです。
こうした内容はもちろん、本文に述べられていますが、図版化することにより一目瞭然となります。
本書では、多くの図版を用い、フードサービス業が陥りやすい落とし穴や失敗の要因を図解します。文章で読み解くと同時に、図式化し、フォーマットを一覧にすることで簡潔、直截に理解できるものもあります。
たとえば、『多店化成長段階ごとの手術の定石』という図表は、時系列・縦軸に「初歩的管理の時代」「システム準備時代」「本格的チェーン時代」と追い、横軸に課題と強化すべき職能、手術法(状況と適期)を並べ、視覚に訴えています。
半世紀近く小売業、フードビジネス業界を牽引してきた著者ならではの視点で、この先のチェーンのあり方を明示します。また、153項目からなる用語解説を脚注とし、索引を巻末に設け使い勝手を良くしました。