『世界 ワイン・ヴィンテージ案内』の続編。
著者は、良質で稀少なワインの世界的権威として知られるマイケル・ブロードベント氏。17世紀から2005年までのヴィンテージ・ワイン(年代を特定した特醸精選ワイン)について、50年以上もかけてまとめた膨大なテイスティング記録です。
全12章にわたり、それぞれのワインについての評価や熟成状態、飲み頃を簡潔で的確な表現でまとめています。加えて、それぞれの年の気象条件やブドウの作柄、その年の経済状態などを詳述。ヴィンテージ・ワインに関する必須データが満載です。
何を買い、保存すべきかがひと目でわかるソムリエやレストランの方などワインのプロの必読書です。
もちろん、ワイン好きのあなたにもぜひ持っておいていただきたい1冊です。
本書のサイズは四六版。膨大なデータを収めた充実した内容のため、632ページという前書を大幅に上まわるボリュームですが、薄くて軽い紙を使っているので辞書感覚で使えます。
また、開きやすいビニール表紙にして使いやすさを追求し、なおかつ丈夫な造りになっています。表紙カバーは、ヴィンテージ・ワインを想わせる、黒と金を使ったシックで重厚なデザインです。
本文は全ページ2色刷りで、膨大なデータが見やすい仕立てです。
評価は、星の数で表しています。ヴィンテージ(年代)については赤の星で、それぞれのワインについては黒の星で記載。さらに本書では、特定のワインについてはおおよその飲み頃が書かれています。これはヴィンテージの品質や著者自身のメモや経験をもとに割りだしたものです。(ワインによっては飲み頃がまだ来ていないものも!)
主要なヴィンテージ・ワインを12章に分けて掲載しています。
ボルドー 赤/ボルドー 白の辛口/ソーテルヌ/ブルゴーニュ 赤/ブルゴーニュ 白/ローヌ
ロワール/アルザス/ドイツ/カリフォルニア/ヴィンテージ・シャンパン/ヴィンテージ・ポート
巻頭と各章の扉ページには、傑出したヴィンテージを抜粋してまとめました。その地域のワインの優れた年がひと目でわかります。
翻訳監修は、世界のワイン産地を長年かけてまわり、ワイン業界との関係が深く、その情報収集力、分析力に定評のある山本博氏が務めています。
巻頭では、氏が初心者の方に向けてワインの基礎知識をわかりやすく解説。本文中にも必要に応じて訳注を添えています。
巻末には用語集と、ヴィンテージ・ワインの保存・熟成状態を知るために役立つ「ワインの液面/目減りの定義と解釈」についての解説を掲載しました。用語集では原書での表記も記載してあります。
また、試飲記録は古いものでは17世紀のワインから掲載。フランス革命の年に造られたワインはどのような味だったのか?――ワイン好きにはたまらない、ヴィンテージ・ワインならではの歴史的な魅力も存分に感じていただけます。