結納、婚礼、法事、その他、現代の冠婚葬祭の席での料理や仕来りについて、料理人として知っておきたい事柄を簡潔にまとめて解説したのが本書。
たとえば、この素材はなぜ縁起がよいといわれるのか、この料理がおめでたい席にふさわしい理由は?婚礼献立の書き方の注意点は?水引使いの決まり事は?不祝儀の席で使ってはいけないものがある?等々。
知らなくても日常の営業に支障はないかもしれないけれど、知っておかないと絶対に困ること、それが冠婚葬祭の約束事です。実際にそうした場面に立ち会う機会が少なく、親方や先輩からもなかなか指導を受けられない、そんな時代だからこそ役に立つ、日本料理版 冠婚葬祭便利帳です。
第1章ではまず、婚礼や法事の献立例を紹介します。伝統的な事例からその成り立ちを、現代的な事例から実際の活用法を学びます。また、すぐに使える66品の祝肴の作り方も必見。おめでたい雰囲気を盛り上げるのに役立ちます。
第2章では、むきもの、道具と器、水引と和紙使いなど、祝の席を彩るあれこれを取り上げ、料理の周辺から祝儀・不祝儀に迫ります。
第3章は、結納・婚礼、正月、賀寿、法事など、冠婚葬祭の事例別に、知識ともてなしについてポイントを解説します。一般常識としても知っておきたいことばかりです。
第4章では、料理、器、しつらえ、サービスなど、すべての事柄に関わる「言葉」を取り上げ、なぜおめでたいのか、どういういわれがあるのか、などについて解説します。けっきょくいちばん大事なのは「言葉」ということが理解できます。
ハンドブックながら、祝意を表現するためのさまざまなアイテムについては、その色、形、文様、質感などをできるだけ具体的に伝えられるよう、カラー頁を増やしました。献立例、祝肴一品集、むきもの、水引や和紙飾りなどなど、写真を見るだけでも、おめでたい雰囲気が味わっていただけると思います。
いでしょうか。
そうなんです。本で調べようにも、意外にも今、そういう類の本はないのです。冠婚葬祭の料理そのものを扱った本もありませんし、水引や和紙飾りのことまで解説している本はなおさらありません。
料理の基本、器、紐結び、和紙の折り方、マナー、一般常識と、各分野の本をあれこれ探し、自分で調べてつなぎ合わせるしかないというのが現実です。そんな時にまず開いてほしいのが本書です。料理店の立場、料理人の立場から、祝儀・不祝儀の場面で心得ておくべきポイントを、総合的にわかりやすく解説していますので、これ1冊見るだけで必要なことがひと通り理解できるはずです。
*編集部だよりは、こちら