メニュー表は、レストランにとって大事な情報発信ツールです。
フレンチレストランでは、メニュー名にフランス語表記を添えるケースが少なくありません。皆さん、フランス語で書いていますか?
「コック・オ・ヴァン」のような定番料理なら料理書のフランス語を丸写しできますが、たとえば「オマールの殻付きロースト、かりかりアーモンド風味、葉付き玉ねぎのソテー添え」と書きたい場合はどうしますか?
「文法的に正確に、スマートに書きこなす」までには高いハードルがあります。
本書はフランス語でメニューを書くための「虎の巻」。
この1冊があれば、今すぐ「フランス語でメニューを書く」ことが可能です。
これが世にある“メニュー書き参考書”と違うのは、メニュー文法を勉強するための本ではなく、メニューを書くために「使う」本であること。素材順に並んだ約4000の日本語フレーズから使いたい表現を選んで、隣のフランス語を書き写せば正しいメニュー名になります。ごく簡単なルールに従って、複数のフレーズをつなげることもできます。
・本書の大半を占めるのは、『料理とデザート』篇。
アイウエオ順に並んだ素材名と料理名の項目の中から、使いたいフレーズを選びます。
・『スタイルの表現』篇では、
「… さんに捧ぐ」「エキゾチック風」「… のバリエーション」といった特殊な言い回しを。
・『メニュー用語』篇では、メニュー表の見出しとなるカテゴリー名や、
「… を二つの調理法で」「半分のポーションで」といった補記的な言い回しを」。
◆フレーズの出典は、フランスのメニュー実例
フランス語フレーズは、実際にフランスの料理業界で使われているものです。この本をまとめるために、フランスの料理書から三ツ星シェフのメニューまで、古今の膨大なメニュー実例をデータ化し、文法的な分析を加えながら整理・選択をしていきました。
フランス料理のスタンダードは変わりませんが、同じ料理でも表現の仕方が変わったり、また時代によって新しい「素材」や「料理」、「言い回し」が登場します。多種多様な例から、今日の日本のレストランやビストロに必要なフレーズを収録しました。
もちろん、同じ料理もさまざまな言い表し方があり、あ答えはひとつではありません。本書のフレーズはひとつの例です。簡潔でスタンダードな表現、辞書を引かずに使えるシンプルさに重きを置いています。