本書は、エスコフィエの古典からポール・ボキューズのヌーベル・キュイジーヌまでフランス料理の真髄を日本に導入し、現在の隆盛を築き上げた功労者、ホテルオークラ総料理長・小野正吉(1918 ― 1997)の本格的評伝です。
パリ在住時に小野シェフと交流し、数多くの著書を通じて日本におけるフランス料理の受容・発展を見つめてきた著者が、人間・小野正吉を描き出します。
横浜駅前の旅館に生まれた幼少期から始め、戦前の見習い時代、街場のレストランでの料理長時代、ホテルオークラ入社と海外研修、総料理長就任といった小野正吉の料理人人生をたどるべく、小野氏の過去のインタビューや、直接の弟子、同僚、家族など、故人を知る人からの証言を集めました。カラー口絵頁や写真頁では、修業時代の小野氏や勉強ノート、テレビの収録風景、フランス人シェフとの交流などの秘蔵写真を収録しています。
◆担当編集者より
高度経済成長とともに急速に裾野が広がり、のびてきた日本のホテルやレストランの世界。その大きな流れの中で、「西洋料理」を本格的な「フランス料理」へと高めたのが、小野正吉総料理長でした。
まだ見習いの時代から原書に親しみ、総料理長就任後もポール・ボキューズはじめ最先端のフランス人シェフたちを招聘・交流し、そのエスプリとテクニックに触れてきました。本物の食材を取り寄せ、貪欲に本場フランスに近づこうとし続けた小野シェフ。厨房中が震え上がるような妥協を許さない厳しい姿勢と、常に学び続け新しくあろうとする自己研鑽。その実像と功績に迫ります。
まだ見習いの時代から原書に親しみ、総料理長就任後もポール・ボキューズはじめ最先端のフランス人シェフたちを招聘・交流し、そのエスプリとテクニックに触れてきました。本物の食材を取り寄せ、貪欲に本場フランスに近づこうとし続けた小野シェフ。厨房中が震え上がるような妥協を許さない厳しい姿勢と、常に学び続け新しくあろうとする自己研鑽。その実像と功績に迫ります。