仔羊、鶏、鴨、そしてジビエ――と、“肉”といってもとてもたくさんの種類があります。が、老若男女を問わず幅広い人たちにとって、いちばん身近でもっとも日常的にオーダーする“肉”といえば、やはり「牛肉」と「豚肉」ではないでしょうか? ただ身近なぶん、「牛肉といったら、ステーキ」「豚肉はグリエで決まり」などと調理法がワンパターンになりがちでもあるのではないでしょうか?
本誌では、部位ごとの生かし方をテーマにした第1企画の牛肉62品、豚肉66品をはじめ、計171品の料理を紹介しています。牛・豚の品種や、牛肉・豚肉の“作られ方”についてまとめた企画も収録しており、この一冊があれば必ず牛肉と豚肉の料理に幅が広がります。
本誌は牛編と豚編の2部構成で、その中でも、牛肉と豚肉の料理を4つずつのテーマにまとめた「料理集」と、自分の料理や店にとって最適な牛肉、豚肉を探し出すために役立つ情報をまとめた「知識集」に分かれています。
「料理集」の第1企画のテーマは、部位ごとの生かし方。牛肉は16、豚肉は12の部位に分け、各部位の特性を理解したうえで実際の生かし方(=料理)を見ていくという仕立て。
第2企画は、牛編は「赤ワイン煮込み」、豚編は「パテ・ド・カンパーニュ」を8店のシェフに作っていただくというもの。
第3企画はともに日本料理での活用法。第4企画は、牛編はステーキの焼き方、豚編はサラミなどの加工製品の作り方についてまとめています。
部位ごとの生かし方をテーマにした「料理集」の第1企画では、その部位が、【1】牛あるいは豚のどこに位置し、【2】フランス語、イタリア語、中国語ではどのような名称で呼ばれ、【3】肉としてどのような特性を持っており、【4】実際にどんな料理に仕立てることができるのか――という4つの情報が一目瞭然となる構成を意識しました。
また、レシピページを除く全ページをカラーページとすることで見やすく、使いやすい誌面となるように心がけました。とくに牛や豚の品種や飼育法についてなど一見難しそうな情報を集めた「知識集」は、イラストや図表を使ったヴィジュアルとすることで、少しでも読みやすくわかりやすい企画になることをめざしました。
「和牛と国産牛の違いって?」「牛肉の格付けってどうやって決まるの?」「エサが違うと肉の味も変わるの?」など、牛肉と豚肉の理解が深まり、かつ仕入れに役立つ知識や情報がいっぱい詰まっています。それでも「文字を読むのは面倒だ」という方は、農産物物流コンサルタントの“やまけん”こと山本謙治氏が書いた「やまけんの素材を知る、みなさんどう思う!?」だけでもご覧ください。牛あるいは豚の肉の味はどうやって決まるのか――が非常にわかりやすくまとまっています。そして、巻末のレシピは分量付きです。