鮨職人の魚仕事
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赤身の仕込みアナゴは塩もみするか、湯をかけて包丁でしごいて“ぬめり”を取る店が多いと思います。しかし、当店では一枚におろした後、汚れを除くために水洗いするだけ。アナゴ専門の仲卸しの方から「ぬめりは旨み。取らないようにね」と何度も言われるうちに、取らずに仕込むようになりました。アナゴのぬめりは臭みの元といわれてきましたが、臭みは胃に残るエサに起因するとの説も。捕獲後にしっかりエサを吐かせ、活け締めしてすぐにさばいて煮ることが大事だそうです。実際、助言通りにぬめりを取らなくてもおいしく煮上がります。ただ、ぬめりの有無と関係なく、たまに臭みのあるアナゴがいるので、煮上がったらすべてを味見することが欠かせません。ところで、煮汁はそのつど仕込みます。使いまわす方法に比べるとあっさりとして、アナゴの風味を白身の仕込み光りものの仕込みすっきりと味わえます。煮汁で作る     煮ツメもぬった時にすっとのびる薄めの濃度で、これもアナゴの味を引き立たせるため。煮アナゴの味の印象には煮ツメも大きく左右すると考えています。煮る時は、脂ののり具合によって時間差をつけ、それぞれにベストの煮上がりを求めています。脂の少ないものは少しでも柔らかくするために長めに、脂の多い柔らかいものは短時間で。生のアナゴをさわった時の厚み、弾力、身の色などで判断して3つのグループに分け、時間をずらして鍋に入れています。握る際は軽く天火であぶっていますが、目的は香ばしさではなく、口の中で脂がはじけるような柔らかさやしっとり感を出すこと。“煮アナゴ”ですから、その名の通り焦げ目をつけず、脂を身の中でふわりと浮かせるイメージでさっとあぶるだけに留めます。海老・蝦蛄・蟹の仕込み烏賊・蛸の仕込み煮終えたら火を消し、木蓋をのせたまま約10分間おく。余熱で火を入れつつ、味を含ませる。煮上がったアナゴをバットに取り出し、すべての切れ端を味見して臭みなどがないかを確認する。煮汁は数回に1度の頻度で煮ツメにする。調味料で味をととのえ、1週間煮詰めて作る。貝の仕込み煮穴子④余熱で火を入れる煮上がりを味見する153煮上がったらすべてのアナゴを味見する

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