ザ・ミクソロジー
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60①単純浸漬法香りを持つ固体を液体(酒類)に漬けてエキスを抽出する方法。漬け込んでいる間に素材の成分が染み出し、液体に移っていく。漬ける素材によって条件が変わる。重要なことは、素材に水分があるかどうか。素材に水分がないものは常温漬け込み・常温保存が可能。水分があるものは漬け込んだ後もその水分が酸化、劣化するため、保存は冷蔵または冷凍が必要になる。ミクソロジーの技術の一つに「自分のイメージに合わせて、お酒そのものにフレーバーをつける」というものがある。果物やスパイスなどのアロマを抽出したフレーバードスピリッツを自家製したり、何かの素材を合わせることでお酒の個性をより引き立てたり、あるいはお酒の熟成感をコントロールしたり。さまざまな技法とメソッドがある。[インフューズの方法]インフューズの方法には大きく分けて①単純浸漬法、②真空加熱浸漬法、③揮発吸着法、④攪拌分離法の四つがある。その他にも急速圧力インフューズもあり、また後述するウォッシングも広義の意味ではインフューズと同類と考えてよい。漬け込み時間は素材により、または液体のアルコール度数にも関係する。高アルコールのほうが抽出力が強く、時間も短くてすむ。アルコール度数が25度の液体と40度の液体では、25度のほうが1〜2日間ほど余計に抽出に時間がかかる。ほとんどのプロの蒸留家は基本的に70度以上90度以下の高アルコールで抽出はすべきだと言う。■浸漬期間の目安、注意点など■果物系:2日〜1週間例)りんご、洋梨、パイナップル、オレンジ、金柑、みかん、柚子、柿、いちご、ブルーベリー、ラズベリー、玉ねぎ、キュウリ■スパイス系:2日〜2週間1)インフューズ酒類に香りをつける方法の一つ。何らかの素材の香りを酒類に移す(抽出する)ことをインフューズといい、移したものをインフュージョンと呼ぶ。4. 新しい味わいをもたらす技術コンセプト

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