ワンオペ店の仕込み術
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Comptoir Coiコントワールクアンn 1-- 東京・蔵前 東京都台東区蔵前489 島宅1階営業時間/19時~( びっしりと2段組みで印字された、1枚のメニュー表。そこに載る50品を超えるアラカルトの数々と、目の前のコンパクトなキッチンとのギャップに、たいていのお客は驚くだろう。オーナーシェフの丸井裕介さんは、26歳で料理の世界に入り、多様な経験を積んだ後、2015年に土地勘のあった東京・蔵前で開業。自然派ワインが主役のワインバーとして、当初はニョッキや生ハムなど料理はわずか5品ほどだったが、「今度ハンバーグ食べたいな」、「オーブンがあるならピザ焼いてよ」といったお客のリクエストに応えるうちに、徐々にメニューが増えていった。特定の料理ジャンルは意識せず、「マルゲリータ」や「カルボナーラ」といったイタリアン定番のピザやパスタに加え、「たらこパスタ」や「ブルーチーズバーガー」、「和風ハンバーグ」などが並ぶ。 「2口コンロに家庭用冷蔵庫。一般家庭のキッチン以下ですよ」と笑う手狭な厨房かつワンオペ営業で、これだけの数の料理が提供できるのは、スチームコンベクションオーブンや低温調理器、そして営業中もこまめに皿を洗える食器洗浄機の存在が大きいという。中でも丸井さんがフル活用するのが、真空包装機。トマトソースやミートソース、ジェノベーゼといったソース類、ハンバーグのタネ、盛合せに入れる野菜のラペやフルーツのマリネ、スープなどを余裕がある時に一気に仕込み、小分けにして真空包装して保存。営業中も封を切って使ったら、すぐに真空にかけて冷蔵庫に戻すなど、鮮度を保持しロスを防ぐ。 飲食店での酒の提供が規制されたコロナ禍中には、「ワインを循環させたい」との思いから、ワインショップを開業。自然派ワインの卸業務の他、小売・物販と有料試飲を行なう。店から自転車で2分ほどの距離にあるため、仕込んだアイテムや食材のストックスペースにも活用している。「より効率的に仕込めるようになりましたが、うちの主役はあくまでワイン。3時間ほどかけてゆっくり楽しんでもらえたらうれしいですね」と話す。08L. O.:22時頃) 定休日/不定休(SNSに記載)真空包装機を駆使し、コンパクトな厨房ながら50品超のアラカルトを実現するワインバー

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