第2歴史章ブドウ誕生 ブドウの原種の誕生は極めて古く、葉や種子の化石から、その祖先が出現したのは白亜紀と推測されている。白亜紀は約1億4500万年前に始まり、6600万年前の恐竜の絶滅とともに終わる。つまり、ブドウの原種は、恐竜が闊歩していた時代に出現したのであった。 その後、現在まで続く第四紀氷河時代は約258万年前に始まったとされ、今日まで4万~10万年の周期で氷期と間かんびょうき氷期(温暖期)がくり返されている。そして、この気候に沿うようにブドウは繁栄と衰退をくり返してきたのである。 約7万年前に始まり1万年前(縄文早期)に終わった最終氷河期でもブドウはほぼ絶滅したが、南コーカサス、北アメリカ、東アジアでわずかに生き残った。 これらのブドウは温暖期に再び繁殖を始め、各地に適応した進化を遂げて西アジア原種群、北アメリカ原南コーカサスから中央アジアへ 西アジア原種のシルヴェストリス種(雌雄異株)は、紀元前3000年頃に変異し、現在の栽培種であるヴィニフェラ種(雌雄同株)が誕生した。 ヴィニフェラ種は、メソポタミアからエジプト、ギリシャを経て地中海沿岸諸国に伝わり欧州ブドウの名を得る一方で、古代ペルシアから中央アジアのトルキスタン諸国に伝播し東洋系ヴィニフェラ種群を形成した。 ワイン発祥地は、紀元前6000~4000年のジョージア、アルメニア、イランなどとする諸説がある。中央アジアから中国へ ヴィニフェラ種のブドウは、長い間、中央アジアの乾燥地帯で栽培されてきたが、中国には伝わらなかった。両地域の間には、動植物が越えわが国のワイン造りはどのような変遷をたどったのか?古代から現代まで、その流れを追う。36ブドウ誕生から日本への伝来 種群、東アジア原種群の3つの原種群を形成した。日本ワインの歴史
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