新版 ワイン基礎用語集
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イタリア■■118Ⅱイタリア Italy(英) Italia(伊)アドリア海とティレニア海に挟まれ、南北に長いイタリア半島と地中海の島々からなる。あらゆる地域でワインを生産し、その量は毎年フランスと世界一を競っている。変化に富んだ地形と多様な土壌、温暖な気候、土着のブドウ品種の豊富さなどから個性豊かなさまざまなワインが産出されている。ブドウ栽培面積は約68万ha、ワイン生産量は約4,950万hℓ。→MAP-10エノトリア・テルス Enotoria Tellusギリシャ時代、南イタリアにワイン造りを伝えたギリシャ人は、イタリアを「エノトリア・テルス(ワインの大地)」と呼んだ。オデュッセイア OΔYΣΣEIA(ギリシャ) Odyssey(英)紀元前8世紀、ギリシャの作家ホメロスによって、歴史上初めてイタリアワインについて書かれた地中海世界の文献。ピトイ Pithoi古代イタリアにおいて、土の中に埋める形でワインの熟成に用いられた、底のとがったテラコッタ製の壺。ワインが染み出さないように松やになどの樹脂を塗って使っていた。マリタータ Maritata紀元前8世紀から1世紀ころにイタリア中部を支配していたエトルリア人が行なっていた、他の樹木にブドウの蔦を絡ませるブドウの栽培方法。20世紀の初めまでウンブリア州などで見るファレルヌム Falernum古代ローマ時代に人気があったワイン。カンパーニア州の現在のD.O.C.ファレルノ・デル・マッシコの地域で造られていた。カエクブム Caecubum古代ローマ時代に人気があったワイン。現在のラツィオ州の海岸地帯で造られていた。マメルティヌム Mamertinum古代ローマの時代に人気があったワイン。シチリア州の現在のD.O.C.マメルティーノ・ディ・ミラッツォの地域で造られていた。アピキウス Apicius古代ローマの時代の美食家。また、その時代の調理法・ 料理のレシピを集めた書籍。ルキウス・リキニウス・ルクッルス Lucius Licinius Lucullus共和制ローマの軍人で、美食家としても知られる。ヨーロッパでは食通の代名詞とされる。現在でも豪華な食事を「ルクッルス式」という。ペトロニウス Petroniusローマ帝国の政治家、文筆家。小説『サテュリコン』の著名なトリマルキオの饗宴のシーンの豪華な食事は、当時の絢爛かつ退廃的な食文化を描写している。サンテ・ランチェリオ Sante Lancerioローマ教皇パウルス3世(1468~1549年)のワイン担当者。ソムリエの先駆け的な存在。モンテプルチャーノのワインを褒める言葉などを残ことができた。概要・歴史■■イタリア

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