そばうどん知恵袋111
15/22
主な参考資料・『そばの基本技術』(氏原暉男「そばの主原料」)、『そばの技術』101頁の脚注❷参照。湿麩とは、湿ったたんぱく質(麩)という意味である。小麦粉に対する重量%で表し(湿麩量)、小麦粉のたんぱく質の量の表示に使われる。洗い方や水きりの程度などによって多少誤差はあるが、通常、強力粉で40%前後、中力粉で30%前後、薄力粉で20%である。業界用語としては、「すそこ」ともいう。❶グルテン❷湿麩❸末粉170416681688粉に大別される。つなぎとしての働きだけを求めるなら、たんぱく質含量がもっとも多く粘性にすぐれている強力粉を選べばよいことになるが、そばの食味という点を考慮すると、そう単純には決められない。どういうそばを作りたいかによって、小麦粉を選ぶ必要がある。 かつては、強力小麦や準強力小麦の製粉時に採れる❸末すえ粉こが主として利用されていた。末粉のほうがたんぱく質の含量が多いことと、末粉は色がついていてほかの食品用に向かないがそば用には問題ない、というのがその理由だった。しかし、そば粉の配合率が低い場合にたんぱく質含量の多すぎる小麦粉を加えると、そば特有の粘りの少ないもろい感じがなくなってしまう。「割り粉(つなぎの小麦粉)もそばのうち」といわれるゆえんだ。小麦粉の品質や取り扱いには十分気を配る必要がある。 従来、小麦粉がつなぎとして利用されるようになるのは元禄期()以降とされてきたが、近年、寛文8年(理塩梅集』に、そば粉が劣化する夏季にはうどんの粉(小麦粉)を混ぜて打つとよい、という記述があることが報告されている。混ぜる割合はそば粉1升に対して3分、と具体的な内容である。ただ、元禄期の料理書につなぎの記述はなく、小麦粉の使用が一般化した時期とはいいがたい。)に書かれた料理書『料103~
元のページ
../index.html#15