そばうどん知恵袋111
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主な参考資料・『めんの本』、『基礎うどんの技術』159頁の脚注❷参照。101頁の脚注❷参照。196頁の項目93参照。❸❷❶α化❷グルテン❸もっともおいしい状態る。でんぷん粒を網の目状に包み込んでうどんの骨格を形成しているグルテン組織の膜と、外側から徐々に進行するでんぷんの糊化が、水分の内部への浸透を邪魔するためだ。したがって、水分含量が75%程度というのは、うどん全体の水分分布の平均で、茹で上がったうどんの茹で上げ直後の水分の分布状態を調べてみると、表面付近では80%以上になっているが、中心部では半分の40%程度でしかない。このような水分含量のバラつきを「茹で麺の水分勾配」と呼び、表面がやわらかく芯はやや硬い、もっともおいしい状態とされる。 以上が茹でのメカニズムだが、これによって茹で時間の長短には、うどんの太さ(表面から中心部までの距離)が大きく影響することがわかる。距離が長くなるほど、浸透しようとする湯に対するグルテンとでんぷんの糊化の抵抗は大きくなるから、そのぶん余計に時間がかかるわけだ。 断面積は半径の2乗で求められるから、これに比例するとは、太さ(径)の2乗に比例することを意味する。つまり、太さが倍になれば断面積は4倍になるから、茹で時間も4倍かかるということだ。反対に、きしめんのように幅を一定にして厚みを半分にした場合、断面積は半分にしかならないが厚みは0・5の2乗になるため、茹で時間は4分の1近くになる。209

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