そば学
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め、効率的な品種改良が困難だ。そこで、Fしている他殖性の普通ソバに取り込もうとする取り組みが2000年頃から世界で進められてきた。自殖性を持った普通ソバを育成しようとする試みだ。ところがこの雑草は粒が小さくて脱粒性もあり、これまでのような交配と選抜にもとづく育種技術では、そうした作物として都合の悪い遺伝的特性もソバに取り込まれてしまい、それを除去するための選抜が大変だった。現在では、重要な遺伝子だけを取り出して導入する育種技術についての研究が進められており、新たな品種改良の可能性が高まりつつある。ソバの近縁種は野生種や畑付近の雑草が多く、大西近江氏らは中国の奥地で多数発見した。その一部が資料2−20の種子で、その中でも★をつけたものだけが日本人になじみ深い作物だ。2Xは染色体数が2倍体であることを表す。ソバの染色体の基本数(X)は8本で、体細胞の染色体数は16本である。それに対して4Xは4倍体で、基本数が倍加しているので体の種子よりもやや大きい傾向がある(資料2−20の右上)。そうした染色体が倍加する変異は植物ではたびたび観察されるので、種子を大きくして多収にする目的で人為的に化学物質などを使って染色体を倍加させる育種が1980年頃から世界で盛んに行われた。日本で人. homotropicumの自殖性の遺伝子を私たちが食32本あることを示している。野生である宿根ソバにはその両方があり、4倍体の種子は2倍第2章 ソバの神秘的な力81
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