水回し初段位は、「ひとりで所定の時間内に、適切な手順でそばが打てる力量を持つ」が目安。そば粉(普通粉)500gと小麦粉200gの計700gを40分で打ち上げる。〈木鉢作業〉水回しの手の動きは内回しでも外回しでもよく、決まりはない。手を熊の手の形にして指先を使って粉に水を均等に浸透させながら、加水にともない米粒→小豆粒→大豆粒と造粒していく。加水量の見極めができたら、一塊にして練りに入る。込む。生地がしっとりとして艶が出てきたら生地の中央に折り込む菊練りをし、菊練りのひだを手のひらの全麺協の技能審査の登竜門である練りは両手で体重を利用して練り1234 付け根で押さえて転がしながら生地の中に入り込んだ空気を外に出すように閉じていく。次に90度方向を変え、片方の手のひらは生地の底を押さえ、もう片方の手のひらは生地の側面に置き、木鉢の曲面を利用して転がして円錐形を作るくくりをする。その後、円錐形のそば玉を上から手のひらで押して均等な厚さの円形の鏡餅状にする。〈延し作業〉地延しは手のひらで上から押し、回転させて一定の厚さの真円形にする。地延しの出来ばえが後に影響するので正確に行う。丸出しは延し棒で少しずつ回転させながら前方に延し、大きな均等な厚さの真円形にする。4方向から巻き延しをして四角形にする四つ出しは、目安として、1回目は4~5回ほど転がし、4回目は2~3回ほど転がし、いずれも手のひらは左右均等の力で生地に添わせる程度とする。生地を広げて厚い部分と薄い部分を見極め、均一な厚さに肉分けをする。生地の幅を70~80㎝ほどに整え、90度回転させて長さ80㎝を目標にして半分ずつ本延しをする。〈切り作業〉麺生地、こま板、包丁の中心を合わせ、リズミカルに麺の太さに合った切り幅で切り進める。1束ずつ打ち粉をていねいに取り、生舟に入れる。最後の2束はこま板が不安定になるのでより慎重に切る。そば粉を大事に扱い、作業をスムーズに進め、喉ごしのよいおいしいそばを目指す。1回目の加水は、用意した水の7割程度を粉全体に注ぐ。試技者 横田節子木鉢の底の細かい粒をあおりながら上に出し、全体を混ぜる。粉全体がパン粉状になったら2回目の加水をし、残りの水の約半量を注ぐ。小さな粒を大きな粒にしていく。088木鉢700g二八そば
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