そばうどん2018
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「収穫したソバは一気に乾燥させるのは絶対によくない。風味は土地によって確実に違います」福井県あわら市のソバ栽培名人、長谷川透さんは断言する。あわら市のソバはこうした頑固な生産者により、昔の風味を維持したまま現代に伝えられた。その年に播■種■するソバの種は、前年に収穫されたこの土地の在来種。ほかの地域の種を持ち込んで混ぜるようなことはいっさいやっていない、と長谷川さんは言う。だから長谷川さんの作ったソバは「昔の味」がする。地元のそば好きの人もそれはよく知っていて、あわら在来はほとんど地元で消費されてしまう。福井県以外のそば職人にとっては誇張でなく、あわら在来は「幻のソバ」と呼べるものだ。長谷川さんが2017年に収穫したソバは約5t。この年は栽培者泣かせの雨が多く、思うように生産量が伸びなかった。ソバという作物には雨はもちろん必要だが、降るタイミングにより天からの恵みは脅威にもなる。長谷川さんは昨年の生育状況を次のように語る。「お盆直前の8月10日頃に播種したところ順調に伸びて、9月には畑103連載 第5回 | 蕎麦産地、生産者を訪ねて | 福井・あわら4.5.3.2.1. あわら市には北の大地を思わせる広大な畑もあれば、山間の小さな畑もある。白い花の間に、豊作を予感させる昆虫の羽音が響いている。2. ソバの段々畑が続く道を奥へ奥へと進んでいくと小さな集落があり、そこから先の道は林道になっていたりする。こういう畑のソバがうまい。3. 畑にはしっかりと排水対策が施されている。福井県は土地改良の先進地域で、生産者の意識も高い。4. あわら在来は、福井の在来種の中でも小粒な部類に入る。黒化率7割から8割で刈り取る生産者が多い。5. 長谷川透さんが栽培した玄ソバ。自家消費と、翌年の種に使う分を残し、残りの全量を出荷するという。    ■ほかの地域の種を持ち込んで混ぜることはいっさいやっていない。だから長谷川さんの作ったソバは「昔の味」がする

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