そばうどん2018
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挽きたての粉がいちばんおいしい外■■麦■■は何の香りもしません。けど、うちが看板商品の「だんべ肉汁うどん」は普通盛り(760円)で400gもの麺が盛られている。乱切りで不揃いのうどんの表面には肉眼ではっきり見えるほどに小麦の粒が混ざり、麺全体が黄色っぽい。つゆにつけずに太いうどんを1本食べると、ギュッと噛み締める強い食感が残る。麺を噛むごとにこれまでに感じたことのない香ばしさを感じ、噛み続けるとほのかな甘さが口内に広がる。これこそが、全国を席巻するさぬきうどんブームの最中に群馬県で生まれた、「だんべうどん」の石臼挽き全粒粉のうどんの味わいだ。「湯を加えてこねればわかるんですけどね、使っている藤岡産の小麦を挽いてこねると、もう香りがね、ものすごく立つんですよ」建築メーカーの営業マンをしていた青木晶    1宜氏は、石臼で自家製粉するそば店は多いのに、うどんでそれをする店がないことに疑問を持つ。アクセスの悪い場所で開業するのだから、目玉がないと集客も難しい。そのキーとして考えたのが石臼挽きした小麦粉で打ったうどんだった。そこから独学で麺打ちを勉強し、数々の石臼を試してみたが、挽いた粉でうまく麺につなげることができない。あきらめようかと思っていたところ、㈱日高製粉機製作所(千葉県松戸市)の石臼と出合った。「ソバを挽いた時の切れ方がものすごくて、これだと思いました。小麦を挽くんだって言ったら、メーカーの人も『そんな人、いままで聞いたことない』って驚いてましたけどね」粉の品質は石臼の性能に左右される。とはいえ、開業時には石臼の価格は気になるところ。蟻巣石を使った石臼は目が飛び出るような価格だったというが、いまでは「これがあったから開業に踏み切ることができた」と言えるそうだ。この店ではうどんはもとより、天ぷら衣に使う小麦粉にいたるまで全量を群馬県産小麦でまかなっている。もともと「上州からっ風」といわれるほど風が吹き乾燥した地域である群馬県では小麦生産が盛んで、水沢うど046群馬県の前橋駅から車で20分ほどかかるというアクセスの悪さ。それにもかかわらず繁盛店である理由は、この店でしか食べられないダイナミックな味わいのうどんにある。近隣で生産された小麦を自家製粉し、生地をあまりねかせずに乱切りにした麺は、「つるつるしこしこ」とは正反対のよく噛んで味わううどんだ。だんべうどん住所/群馬県前橋市富士見町時沢860-3電話/027-288-6857営業時間/11:30〜14:30(L.O.14:00)      17:30〜19:30(L.O.19:00)定休日/月曜夜、火曜(祝日の場合は翌水曜が休み)店舗規模/45坪40席だんべ肉汁うどん 五合もり(大盛り) 860円来店客の9割が注文する看板メニュー。群馬・赤城山産の「もち豚」とネギがたっぷり入った熱々の肉汁の味わいは濃厚だが、太く乱切りにしたうどんの力強さとのバランスは絶妙だ。取材・文・撮影/山本謙治

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