居酒屋2018
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阪・京橋の「蔵元直送酒場上よし」は、2017年3月にオープン。月間1300人を集客するが、その人気の理由が約200銘柄の酒をセルフで飲める「ベロ呑み放題」(480円/30分)だ。壁一面に設置した冷蔵庫には全国の小規模酒蔵から直接仕入れた日本酒を陳列。生産量が少なく、関西では流通していない酒がほとんどだ。同じビル内にマイナス5℃に設定した貯蔵庫を設置。要冷蔵の生酒をはじめ、常時1000本前後をストックしている。飲み放題システムは以下の通り。まず、着席して「ベロ呑み放題」の利用を告げると、スタッフが開始時間を宣言する。お客は冷蔵庫前の台に並ぶ酒燗器や酒器を使い、セルフで好みの酒を飲むことができる。カクテルやフードは随時注文し、会計までの滞店時間を30分刻みで加算。週末や繁忙時は2時間制を採用するが、平均滞店時間は90分。客単価は3000円だ。フードは、日本酒好きと居酒屋使    大 5など56品をラインアップし、中心価いのライト層の双方の需要に合うように構成。和食の小鉢、鮮魚、珍味格帯は350~580円。看板メニューは階段状の升に盛りつけた「漁港直送盛り」(980円)で、組客数あたりの注文率は50%に達する。フードと日本酒のマッチングにも注力しており、おすすめの組合せをポップでアピールするほか、フードの提供時に相性のいい日本酒をサジェスト。注文をコントロールすることで、ロスの軽減も図っている。経営母体の㈱トラオムは関東と関西で直営とFCの外食店を93店展開。上よしの知名度を上げて軌道にのせ、さななる売上増を狙う意向だ。60写真上の2階は短時間の利用客や少人数グループ向けのテーブル配置。同右の3階は座敷席を設けた宴会が可能な配置で、冷蔵庫や酒燗器など2階と同じ設備を用意している。全国から直送する鮮魚は、特注の階段状の升に盛りつけて頂上にドライアイスをのせて提供。「珍味3種盛り」、は北海道の郷土料理「にしんの切り込み」など、各地の日本酒に合わせるために全国から肴をチョイスしており、6種盛り1000円とともに売れ筋。酒粕入りチーズケーキなどワインや焼酎にも合わせられる商品もラインアップする。水道光熱費7%家賃収益構造2017年3月OPEN 大阪・京橋その他17%12%日本酒基本データ酒粕入りチーズケーキ380円らっきょの赤ワイン漬け 380円珍味3種盛り600円漁港直送盛り 980円人件費32%ホッケのひらき900円店舗規模:34坪50席客単価:3000円アルコール売上比率:50%月商:430万円小規模酒蔵の200銘柄が飲み放題蔵元直送酒場上よし原価32%

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