誕生は明治32年、洋風とんかつ・ポークカツレツの生みの親の老舗店。ポイントは独自ブレンドの揚げ油
日本の洋食の歴史を語る上で欠かせないのが、東京・銀座の煉瓦亭の存在だ。明治28年に創業、4代に渡る歴史を持つ煉瓦亭には、同店が考案したとされるメニューが多く見られる。中でも明治32年に生まれたとされるポークカツレツ(1250円)は、もっとも歴史が長く、高い支持を得るヒットメニューだ。
発想のもととなったのは『仔牛のコートレット』だ。ひたひたの油で焼き、バターで仕上げていた西洋料理を、日本人向けにアレンジ。
天ぷらをヒントに、仔牛をあっさりした豚肉に変え、店で余っていたパンでつくったパン粉をつけて油で揚げたところ、大ヒットとなった。
当初は温野菜をつけ合わせとしていたが、その後、より手間のかからない、生のキャベツのせん切りに変えた。これが油で揚げたフライによく合うと大変な好評を得て、現在のスタイルに至っている。このカツレツのおいしさのポイントは揚げ油。サラダ油と豚の脂身やラードを合わせて使うことで、独特の香ばしさとコクを生み出している。
[店名]煉瓦亭
[住所]東京都中央区銀座3-5-16
[TEL]03-3561-3882