濃厚で旨み溢れるスープを生むのは、経験と細部にわたる丁寧な仕込み
続々と東京に進出した家系ラーメンの中で、突出した繁盛ぶりを見せている「武蔵家」。家系ラーメンとは、横浜の「吉村家」を元祖に暖簾分けをくり返してきた店のことをいいます。濃厚な豚骨スープに醤油ダレを合わせ、麺は極太、具はチャーシュー、ホウレン草、海苔の3点が家系ラーメンの定番です。
同店のスープは、2本の寸胴を使って常に強火で煮込む、茶濁した濃厚なスープ。絶え間なくスープと骨を継ぎ足して、一定の味を保つためには、経験で養った勘が必要だといいます。またチャーシューをスープといっしょに煮込む店も多いなか、鶏の脂とチャーシューの脂の相性の悪さをふまえ、同店では別々に仕込んでいるのです。醤油ダレは濃口醤油など6種類の食材を混ぜ合わせて加熱。加熱することで醤油の大豆の風味を飛ばし、調和をとるのがコツだということです。
「ラーメン」(600円)は、お客の好みに合わせて、味の濃さ、あぶらの量、麺の硬さを調節します。これは家系のスタイルですね。おいしさの重要なパーツ“あぶら”は鶏のおしりについている脂を溶かしたもの。強火で煮ることで、脂のクセを飛ばしているのです。
[店名]武蔵家
[住所]東京都武蔵野市吉祥寺南町2-11-1
[TEL]0422-42-6606