繁盛居酒屋の締めの一品は、大阪らしいそばとうどん
間口1間半ほどの2階建てで、1階部分はカウンター9席とテーブル12席、2階に座敷とテーブルが計23席という、ウナギの寝床です。とはいっても目立たないのは朝と午後だけ。昼時にはサラリーマンが長い行列をなし、夜は同じ面々がネクタイを緩めて酒を飲み交わします。同店の〆といえば、そばとうどん。中でもざるそばの人気は高い!これは「居酒屋の引き出しは多いほどよい」との考えを持つ池さんが、今はなき本町のそば店『為朝』で手ほどきを受けたそばです。
いわゆる二八そばだが、特徴は3種類のそば粉を合わせていること。具体的には、中心の白い部分のみを挽いた花粉(一番粉)、挽きぐるみと呼ばれる全粒粉、そして二番粉と三番粉を混ぜ合わせた並み粉(標準粉)。挽きぐるみの十割そばを望むそば好きもいますが、都市部では一般的に色白でほんのり香るそばが好まれると考えたそうです。
ざるそば 750円
基本的な1人分は150gだが、お腹の状態に応じて半人分での提供にも対応しています。つけ汁は、甘だしを半生返し(ミリンのみを煮切って醤油と砂糖を合わせた返し)で割ったもの。醤油の生の香りが残り、引き締まった味わい。
けんちんうどん 680円
うどんは讃岐のシコシコとは違う、モチモチ感が身上の典型的な大阪うどん。
具は鶏モモ肉、大根、ゴボウ、小芋、さつま揚げなど10種類。ユズの香りが季節感を演出します。透明なかけ汁は甘だしと返し(ここでは薄口醤油と砂糖を合わせたもの)を14:1で合わせたもの。
たくさんの具から出るだしと渾然一体となり、つい飲み干してしまう旨さ。
[店名]喜作
[住所]大阪府大阪市西区江戸堀1-10-33
[TEL]06-6446-5678