全国の食材と酒を厳選し、日本ならではの飲食文化を追求
ＪＲ吉祥寺駅南口から徒歩3分、井の頭通りに面したビルの地階に日本酒と料理の店「横尾」があります。
目の前はすぐに繁華街、商業施設や井の頭公園に向かう人々でにぎにぎしいが、16坪18席の小さな店にはひっそり穏やかな空気が流れています。
同店は、あまり知られてはいない、確かなおいしさを持つ旬の食材や銘柄、焼酎を全国から求め、提供する居酒屋です。ただ、メニューをよく見ると、比内地鶏や「田从（たびと）」「雪の芽舎」「喜三郎の酒」など秋田の素材や、お酒が目立つ。これは店主である横尾建一氏が以前から秋田の産物、生産者と縁が深かったことに由来しています。
「比内地鶏のきりたんぽ鍋」 3200円（2人前）
比内地鶏の肉と鶏がらスープ、きりたんぽは秋田から直接仕入れています。
比内地鶏は地鶏の中でもイノシン酸を特に多く含んでいて、旨みが強いため、味付けは醤油と酒のみ。
日本のよい酒、よい食材を使った料理を、よい雰囲気の空間で提供
「横尾」のドリンクリストに載っている清酒は18種類。
限られた品揃えのなかに秋田の酒が7種類と4割近くを占めており、横尾氏と秋田のつながりの深さを連想するが、決して義理で選んだものではありません。選択の基準は料理との相性。主張し過ぎず、料理の味を引き立てるものを選んでいるが、最終的な判断は自らが飲みたいと思う酒で、その結果として秋田の酒が多くなったそうです。
酒のグランドメニューは固定しているが、秋のひやおろしや春先の新酒など、その時期のおすすめの酒は別メニューで用意しています。提供方法は正1合の1杯売りでハーフはおきません。
価格帯は650円から1200円までで、700円から800円が中心。
「オクラの天ぷらフルーツトマトとこじょうゆ味噌添え」800円
こじょうゆ味噌とは島根・隠岐島でしょう油の代わりに使われているなめ味噌で、もろみにミリンを加えて甘みをつけた、いわゆるもろみ味噌。
隠岐島では焼き魚や貝などの調味にも使われる欠かせない食品。
[店名]日本酒と料理 横尾
[住所]東京都武蔵野市吉祥寺南町1-11-2 もみじビルＢ1
[TEL]0422-42-3870
