◎そもそもチョコレートとは?
そもそもチョコレートとは何でしょう?
カカオ豆は熱帯性樹木カカオの木の種子。
カカオポッドと呼ばれる大きな実の中に
20〜50粒のカカオ豆が入っています。
このカカオ豆を発酵、乾燥させ、焙煎。
焙煎した豆を粉砕して肺乳(カカオニブ)のみにします。
このカカオニブをブレンドし、ローラーで微粒化。
ここでできたカカオマスというチョコレートのもと。
カカオマスからカカオバターを搾油して、砂糖などを加え、
練り、テンパリングなどの加工を経てチョコレートが生まれます。
2007年の伊勢丹「サロン・ド・ショコラ」の
ジャン=ポール・エヴァンのブースでは、カカオ豆や産地の様子などを
展示し、チョコレート、カカオという食品への理解を深めてもらおうと
いう試みをしていました。
チョコレートが店頭に並ぶと、どうも「商品」「作品」「モノ」として
見てしまいますが、食品とはそもそも植物、生物から与えられていて、
その植物には生きる環境があるということを忘れてしまいがちです。
チョコレートの季節に、カカオ豆の産地に思いをはせるのも
いい機会かもしれません。
さらにチョコレートについて知りたい方には
◆「プロのための洋菓子材料図鑑」
柴田書店編 価格:2625円(税込)
P.90 「チョコレートの本質を知り、その個性を生かす」
を参照してくださいね。
◎チョコレート市場は伸びている?
2月はチョコレートのシーズン。
新しいショコラトリーや新しいチョコレート商品が投入されます。
それはそれは煌びやかなものです。
(反対に夏はひっそりするわけですが・・)
日本人のチョコレート消費量は伸びているのでしょうか?
「cafe-sweets vol.70」によると、
チョコレート菓子の1人当たりの消費量は日本は2.2kg、
もっとも多いドイツの11.1kgに比べて約5分の1で、
この数字は、過去数年間とくに大きな変化はありません。
全体のチョコレート国内消費量の伸びも、過去5年間は横ばい。
ただしこちらは百貨店や個人店の数字は反映されていないそうなので、
あくまでも参考値だそうですが。
チョコレート市場(量)が伸びているというよりは、
チョコレート人気、チョコレートへの理解、愛(金額)が
深まっているというほうが正しいのかもしれませんね。
参考:
◆「cafe-sweets vol.70」
《特集》特別なチョコレートギフト
価格:1260円(税込)
◎高カカオ、産地別の板チョコタイプが台頭
国産菓子メーカーの新商品も勢いがめだっています。
高カカオ成分でポリフェノール効果をうたうものや、
ベネズエラやエクアドルなどコーヒー豆のようにカカオ豆の産地を
明確にした板チョコレートも登場。苦みや香りが個性的に引き出され、
嗜好の多様化を感じます。コンビニで簡単に買えるのも魅力ですね。
◎手づくりチョコレートのテンパリング
チョコレートづくりの中でも、もっとも重要なのが、
ご存知”テンパリング”という作業。
テンパリングとは、温度調節の意味です。
溶かしたクーベルチュールチョコレートを一度冷まして
少し結晶化させた後、再び温度を上げて溶かすという
温度操作により、チョコレートを安定した状態にします。
適切なテンパリングを経て仕上げたチョコレートは
つややかで、なめらかな口当たりになります。また、
貯蔵中にもファットブルーム(白いムラの状態)になりません。
◎テンパリング、ここがコツ!
テンパリングのために湯煎でチョコレートを溶かす際は、
適正な温度で、ゆっくり時間をかけてください。
チョコレートの中のカカオパウダーは5種類の成分から
なっていて、それぞれ溶ける温度と時間が違うためです。
◎チョコレートづくりで迷ったら!
慣れないうちはテンパリング作業は少し難しいですが、
困ったときは、この本を参考にしてください。
◆「チョコレートでまよったら」
著者:サントス・アントワーヌ 価格:3150円(税込)
「エコール・クリオロ」のサントス・アントワーヌさんは、
難しいとされていた乳化作業に独自の方法を編み出して、
簡単でしかも失敗なく、なめらかな乳化を可能にしました。
「テンパリングの方法」「乳化方法」などの基礎項目をはじめとして、
宝石のように美しいボンボンショコラ、味のハーモニーを楽しむ
プチガトーやアントルメなどチョコレートを使ったお菓子づくりまで、
詳しい作業工程写真をもちいて丁寧に解説してくれます。