メキシコの料理といえば、タコスにトルティーヤ、サボテン
などなど。そして、お酒はやっぱり“テキーラ”ですよね。
テキーラは、竜舌蘭(リュウゼツラン)というヒガンバナ科に
属する多肉植物のなかでもアカベ・アスール・テキラーナを原料にし、
その茎を希酸や酵素で分解し、甘みのある糖類に変え、発酵、
蒸留してつくられるお酒です。
貯蔵や熟成によって味や呼び名が違います。
ステンレスタンクで、短い間で貯蔵するものは、現地では
“テキーラ・ブランコ”、英語圏では“ホワイト・テキーラ”呼び、
シャープな香りがあります。
オーク樽で2ヶ月以上樽熟成したものは“ゴールド・テキーラ”と
呼び、色もほんのり黄色で樽の香りがほのかについています。
オーク樽で1年以上熟成したものは“テキーラ・アニェホ”。
樽の香りが強くテキーラ独特の鋭い芳香がうすく、
まろやかな風味が特徴です。
◆「ザ・カクテルブック」
著者:日本バーテンダー協会 価格:3990円(税込)
カクテルの基本知識から、9種類のベース別に367品の
各レシピ、由来などをオールカラー写真で掲載しています。
本書でテキーラをベースにつかったカクテルは15種類。
“フローズンマルガリータ”はおなじみ
氷を砕くクラッシャー、ミキサーなどの誕生によって
急速に支持を広げてきたカクテル。
基本レシピ中のひとつ、コアントローを各種リキュールや
フレッシュな果物に変えれば、バリエーションが広がりますね。
基本のフローズンマルガリータのほかに、
◎フローズン・ストロベリー・マルガリータ
◎フローズン・ピーチ・マルガリータ
もご紹介しています。
カクテルをつくるうえで知っておきたい基礎知識の項では、
飲み物の分類図とともにカクテル、ロング・ドリンクなどの
細かい分類、度数の計算方式、グラス(平底型、脚つき)に
ついても詳しくご紹介。
そして、索引もポイントなんです。
五十音順、アルファベット順、ベース順、アルコール度数別と、
4種類にわかれているので、必要なときにどの方向からでも
目的のカクテルのページが探せてとても便利。
プロの方はもちろん、カクテル大好きな一般の方にも
役立つ一冊です。
◆「世界酒大事典」
著者:稲保幸 価格:15291円(税込)
お酒にまつわる12000余りの項目をおさめた実用書です。
本書は、項目を50音順に、酒名だけでなく、その酒の歴史や
人名、原材料にいたるまで、お酒に関する事柄を豊富に掲載しています。
1ページには3本ずつの種類の、形もラベルもさまざまなボトル写真を
全1500余り掲載しました。巻末には、アルファベット順に英語、仏語
など酒名の原語での掲載があります。
テキーラの項目を見てみましょう。
テキーラはマルガリータなどのカクテルのベースに使われることが多い
けれど、ストレートでは塩をなめながら飲んだりします。
この塩に竜舌蘭に付く虫を干して粉末にしたものを加え、肴にする
飲みかたもあるらしい! 名前は“グサノ”という虫で、日本でも
乾燥粉末等が入手できます。
これを試すのには、ちょっと勇気がいるかも!!
お酒に関わる方々、お酒をこよなく愛する方々が、
ちょっと疑問に思ったことや、気になることを、すぐに調べられ、
スッキリ解決するのにお役に立つ一冊です。
さて、テキーラは原料リュウゼツランそのものを発酵、蒸留した蒸留酒
ですが、こうした蒸留酒をベースに果実や植物の風味をつける混成酒が
リキュール。ジン(原材料:杜松)やラム(原材料:サトウキビ)など
蒸留酒に果実や薬草、スパイスなどを混ぜたお酒です。
◆「リキュールブック」
著者:福西英三 価格:3150円(税込)
カクテルやケーキづくりには身近なお酒“リキュール”を
いろいろな角度から解きあかした一冊。
本書ではリキュールを、
◎薬草・香草系
◎果実系
◎種子系
◎特殊系
の4つのジャンルにわけ、リキュールの歴史、製造法、材料、
風味など詳細な解説とレシピつきで掲載しています。
色も形もさまざまなボトルも、大きめなカラー写真つき。
例えば、“ペパーミント・ジェット 27”は、
1796年、南フランスでピエールジェット、ジャン・ジェット
兄弟によってつくられたリキュールです。
石油ランプの形を模したユニークなボトル・デザイン、
緑のボトルに赤いキャップも印象的。
ペパーミントリキュールは、各社から出しているけれど、
原料のミントの品種の差で飲みくらべると、風味が微妙に
違うんだそうですよ。
試してみるのも楽しいかも。
後半では、定義、語源、製法、日本におけるリキュールの
歴史など基礎知識もしっかりと学べます。
ほか、小説の中に登場するリキュールの一説、リキュール
小事典、リキュール分類表も掲載。
読み物としてもおすすめです。