日本人にはなじみの深い調味料のひとつでもある“味噌”。
味噌のルーツは中国にあり、日本の味噌づくりは、
飛鳥時代に朝鮮半島から渡ってきた高麗人が、醤(ショウ)や
シ(豆ヘンに支)を原形とした大豆だけをつかう「豆味噌」の
製法を伝えたのが始まりといわれています。
当時は醤(ひしお)、未醤(みそ)などと呼んでいたようです。
麹と大豆と塩を混ぜ合わせ、熟成させた発酵食品の味噌は、
種類も多種多様で、味、色、香り、持ち味もさまざま。
日本各地の味噌を原料で大きく分類すると、“米味噌”
“麦味噌”“豆味噌”“調味味噌”の4種類。
このうちの“米味噌”は、大豆に対する米麹の割合と塩加減に
よって、味の異なるいろいろなものができます。
色(白、淡色、赤)、味(甘、甘口、辛口)、銘柄も多く、
全国の味噌の生産量の8割をしめています。
そして、日本料理など和えもの、焼きものの味つけに
つかわれる“調味味噌”は、味噌に卵や木の芽などの食品、
砂糖や酢などの調味料を合わせて練り上げたもので、
“練り味噌”ともいわれます。
調味味噌の中でも、白味噌に卵を混ぜた“玉味噌”、
白や赤味噌に砂糖を練り上げた“田楽味噌”は、他の
練り味噌をつくるときのベースになり、いろいろな用途に
つかえるので、つくりおきをしておくと便利な一品。
最近は、スーパーや食料品店で販売されている味噌の
種類も豊富です。
たくさんの味を食べ比べたり、味噌づくりに必要な
材料がそろった“手づくりセット”などもあるので、
挑戦してみるのもいいかも。
味噌の楽しみ方が増えそうですね。
◆「お通し前菜便利集」
著者:田中博敏 価格:3990円(税込)
お酒に合うお通し前菜からあしらいまで、おいしく
簡単につくれる料理を四季にわけ、食材を50音順掲載。
つくり方、調理のポイントなど、出来上がり写真つきで
478品と盛りだくさんご紹介しています。
掲載している料理に使用した、基本だし・合わせ調味料も
60品余りの配合をカラー写真つきで解説しています。
本書では「だし・合わせ調味料」の中で調理味噌7種類を
掲載しています。
◎赤田楽味噌
◎白田楽味噌
◎蓼酢味噌
◎木の芽味噌
◎柚子味噌
◎芥子味噌
◎蕗のとう味噌
たとえば、木の芽味噌。
すり鉢ですった木の芽に、玉味噌、青よせを混ぜて練り
あげた淡い緑色の調味味噌です。
“青よせ”とは、木の芽味噌の緑色を出すのに混ぜ込む
もので、ほうれん草や大根の葉から抽出した色素です。
木の芽味噌は、素材を和えたり、木の芽焼きにしたり、
香りと鮮やかな淡い緑色が食欲をそそりますね。
12ヶ月分の古称と一般季語、掻敷(器に盛るときに食べ物の
下に敷く木の葉)、旬の素材などの歳時記のほか、
材料別50音順の索引もついてとても便利です。
毎日の献立にも役立つ一冊です。
◆「下ごしらえ便利事典」
著者:成瀬宇平 価格:2520円(税込)
下ごしらえが必要な食材の旬・食べ頃、選び方、保存法、
成分の特性、食べ方などを50音順に掲載。
仕込みの掃除の仕方、解凍、アクぬき、さばき方なども
丁寧に解説しています。
味噌については、旬・食べごろ、選び方、保存法などのほか、
味噌の種類と合わせ調味料の特性などがわかりやすい一覧表を
ご紹介しています。
たとえば、豆味噌。
コメや大麦はつかわず、大豆と食塩を原料でつくられる味噌。
名古屋を中心に中部地方でつくる独特の香りをもつ
“名古屋味噌”や、懐石料理にはかかせない、濃厚なうま味が
ある“東海豆味噌”などがあります。
色は濃赤褐色で、濃厚な味を香りが個性的な味噌です。
ほか、魚、鳥、野菜などのさばき方もイラストで掲載。
下ごしらえで困ったときや、食材について知りたいときなど
さっと調べることができ、便利な一冊です。
◆「応用調味料の事典」
著者:成瀬宇平/遠藤十士夫 価格:3465円(税込)
和風、洋風からエスニック、薬膳までのあらゆる調味料を
770項目集めた調味料の事典です。
後半には、和、洋、エスニク・薬膳の3ジャンルごと、
調味料をつかった料理レシピ360品を50音順に掲載しています。
味噌を調べてみると、
蒸した大豆、米、大麦などをひき、麹と食塩を混ぜいれて
発酵させたわが国古来の調味料。
日本の味噌の語源は、朝鮮語のmiso(密祖)に由来すると
記されています。
ほか、水分、たんぱく質、脂質などの「味噌の成分表」も掲載。
事典とレシピを一冊に掲載しているので、事典で調味料に
ついて調べたあとに、矢印(ページ数)を開けば、対応する
料理レシピを見ることできます。
もちろんレシピから事典への逆引きも可能なので、便利です。
知識だけでなく、日常の献立づくりなどにも活躍する
おすすめの一冊です。