ふぐの旬は、産卵時期の12月から翌2月頃。
ぐっと冷え込む季節に、てっちり鍋、ふぐヒレ酒・・・
温まりそうです。
著者:柴田書店編 価格:1890円(税込)
料理屋や専門店の鍋ものを中心に、充分に計算し尽くされた
繊細な仕立ての大鍋17例、献立に温もりを演出する小鍋仕立て
26例ほか、鍋料理調理と給仕のテクニックを公開。
鍋の醍醐味を存分に味わう一冊。
本書では、博多で地元の魚介類を生かした会席料理を
提供する料亭“い津み”の昆布だしで煮る“ふぐちり”鍋を
ご紹介しています。
ふぐは、煮くずれしにくく、煮汁が濁ったり、脂が浮くことが
ないので鍋の素材としては抜群の素材です。
さらに、ふぐや野菜の旨みを存分の吸った汁をつかって
つくる雑炊は楽しみのひとつ。
「い津み」では、ふぐの旨みを食べてもらうため、
ほかのだしは加えず、味つけは塩のみで仕上げています。
今では、東西を問わず、ふぐ鍋といえば、昆布だしが
つかわれますが、博多では、昆布だしで煮るようになったのは、
昭和に入ってからで、その昔ふぐ鍋は、味噌をつかった
“味噌ちり”だったそうですよ。
ほか、鍋の歴史、つけだれ(ポン酢・ちり酢)や
シンプルな調理法だからこそ大事な鍋料理の「だし」につても
掲載しています。
◆「魚づくし」
著者:中嶋貞治、上野 修、奥田 透 共著
価格:3780円(税込)
3人の料理人による、酒肴から和え物、椀物、焼き物、
煮物、揚げ物、ご飯ものまで幅広いメニュー203品を
収めた魚の料理集!!
本書でも、ふぐの白子をつかった焼き物や酒肴、
皮をつかった和え物など7品をご紹介しています。
たとえば、“ふぐの蓑虫揚”。
極細いせん切りにしたジャガイモやクワイなどを
下揚げし、素材にまとわせた揚げ物を“蓑揚”または
“蓑虫揚”というそうです。
本書では、ジャガイモをつかい、ふぐを食べやすい
大きさに切りまぶして揚げています。
ふぐの歯ごたえとジャガイモの歯ざわりが楽しめる一品です。
ほかにもご飯ものとして、ふぐのアラでだしを取った
ものをつゆとし、蒸したふぐをのせた“ふぐだし素麺”
などもご紹介しています。
少量を器に盛れば、お通しなどでも役立つ一品です。
受け継がれてきた魚介料理と新しい技術と工夫が加えられた
創作魚介料理が堪能できる一冊です。
◆「ふぐ調理師必携」
著者:海沼勝 価格:3150円(税込)
ふぐを取り扱う人たちのための手引書!!
本書は、基礎知識編、ふぐの通知編、受験準備編、
模擬試験問題編の全4編で構成されています。
まずはじめに、色も大きさもことなる日本産と南方産のふぐを
写真でわかりやすく紹介。
続いて、内臓の名称、除毒処理、調理・仕上げの順に
プロセス写真とに詳細な作業説明とともにしっかりと
解説しています。
そして、基礎知識編では、ふぐの食習慣の歴史、
食中毒とふぐ、ふぐの毒性、種類、ふぐの取り締まりまで。
ふぐの通知編では、新しいふぐに関する知見や、
流通面の変化、中毒防止についてなどの厚生労働省からの
通知、受験準備、模擬試験では、実地試験などの受験に関する
要項を掲載しています。
毒性の強い魚であることは知られていますが、
今日にいたるまでの歴史や食中毒について、種類など、
これ一冊でふぐのすべてが学べます。
調理人の方はもちろん、一般の方にも読みものとしても
おもしろい一冊です。