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チョコレートの贅沢な味わい。ガトー・ショコラ特集

 “ガトー・ショコラ”とは、チョコレートの焼き菓子の総称で
 お菓子の固有名詞ではなく、
 日本では“ガトー・クラシック・ショコラ”や
 “ガトー・クラシック”と商品名をつけているお店もあります。

 チョコレートをたっぷりつかい、しっとりと濃厚な味わいが
 楽しめるフランス人の家庭で受け継がれてきたお菓子。
 材料を合わせて焼くだけのとてもシンプルなものですが、
 生地の混ぜ方やチョコレートの温度調整、焼き方など
 ちょっとしたコツに注意すれば美味しく出来上がります。

 今回は“ガトー・ショコラ”を掲載した3冊の本をご紹介します。

 ◆「CAKEing Vol.7 (ケーキング)
 柴田書店MOOK 価格: 2520円(税込)

 ケーキについての素朴な疑問や深く知りたい内容を
 カラープロセス写真を豊富に使い、レシピだけでなく
 由来なども紹介したMOOK本です。

 本書では、3タイプのガトー・ショコラをご紹介します。

 ◎弓田 亨 氏(イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ)
 2種類のチョコレートをつかいスパイシーな香りと、
 しっかりした固さがあるのに、歯にあたるとホロホロと
 くずれる食感の一品。

 軽さをだすため、卵白はあまり冷やさず、
 砂糖を多めにして短時間で泡立て気泡の量をおさえ、
 粘りのあるコシの強いメレンゲをつくります。
 気泡の量をおさえるのは、焼き縮みを小さくするためでも
 あるそうです。

 ◎岡田吉之 氏(ア・ポワン)
 表面はソフトな固さで、中はスフレに似た柔らかさの
 「おやつ感覚の軽いチョコレートケーキ」のような一品。
 卵白を分離する手前の極限まで泡立てた微細なきめの
 メレンゲを混ぜ、高温で焼くことで、しっかりとした
 沈まないガトー・ショコラになります。

 ◎柳 正司 氏(パティスリー タダシ ヤナギ)
 生地は軽やかで、しっとりときめが細かく、口溶けのいい食感。
 台形状でトップには生クリームデコレーションした珍しい形の
 一品。
 卵白はゆっくりと(中速)泡立て、細かい気泡が均一に拡散し、
 ねっとりとしたコシのあるメレンゲをつくるのがポイント。
 きめ細かい焼き上がりと、しっとりした舌触りになります。

 皆さんはどのガトー・ショコラが味わいたくなりましたか?

 ほか、ベルギーの老舗「ヴィタメール」でチョコレートづくりを
 担当してきたフレデリックスケルタ氏による、チョコレート
 テクニックも掲載しています。


 ◆「5つの混ぜ方 焼き菓子36
 著者: イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ 椎名眞知子
 価格: 1890円(税込)

 混ぜ方次第でさらに美味しい!
 イル・プルー・シュル・ラ・セールの人気の
 焼き菓子36品のレシピ集。

 本書では、スイートチョコレートとホワイトチョコレートを
 つかった2種類のガトー・ショコラをご紹介。
 ホワイトチョコレートのガトー・ショコラは、珍しいですよね。
 しっとりした生地にレモン、パッションフルーツ、
 オレンジなどでつくるグラス(表面の仕上げにぬる糖衣)の
 甘酸っぱい風味がきいた一品。
 チョコレートとは違った味わいが楽しめます。

 ガトー・ショコラのようにチョコレートの配合が多い
 生地に合わせるメレンゲは、冷たいとチョコレートが
 固まってしまうので、室温の卵白をつかい、あまり固く
 泡立てないようにするのがポイントなんですね。

 焼き菓子のつくり方はシンプルですが、だからこそ「混ぜ方」も
 とても大切。
 本書では、[直線][円][返し・すくいあげ]
 [平行だ円][うずまき]の5つの混ぜ方をわかりやすく解説し、
 各レシピ中でもポイントを掲載しています。
 家庭でできるフランスの焼き菓子レシピ。
 豊富な写真と解説つきなので、初心者の方にもおすすめです。


 ◆「20席のフランス料理店
 著者:和知 徹、花澤 龍、高山龍浩
 価格: 3675円(税込)

 立地条件や店づくりの方向性の違う、人気レストランの
 3人のシェフ達の店づくりの秘訣を公開。
 オーナーシェフを目指す人のための店づくりのために
 役立つ一冊。

 独立開業までの物件探し、コスト、店内レイアウトなど平面図、
 厨房立体図、豊富な店内写真とともに詳細に解説。
 実際にお店で提供していてる料理レシピ100品も
 “アミューズ&オードブル”“メインディッシュ”
 “デザート”“ランチメニュー”の順にわけ掲載しています。

 フランス料理の本ですが、デザートとして
 本書でも、「トゥールモンド(高山シェフ)」の
 オープン時からつくり続けている人気のデザート
 “生チョコタイプのガトーショコラとバナナアイス
 クリーム”をご紹介しています。

 ココア風味のジェノワーズ(スポンジケーキ)の
 スライスを間に挟み、チョコレートで冷やし固め、
 バナナのアイスクリームを盛り付けた一品。
 メレンゲの気泡を使って焼き上げるクラシックショコラとは違う、
 チョコレートをそのまま食べているような
 濃厚な味わいが楽しめます。

 巻末には、3人のシェフそれぞれの“基本のフォン、
 ソース、パート類”のレシピと、素材別の索引つきです。


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