そのままでも、煮ものでも、とても便利な食材である大根は、
アブラナ科ダイコン属の野菜。
原産地はさまざまな説がありますが、古代エジプトでは
紀元前2500年前頃から栽培されていたといわれています。
形状は、偏平、丸、楕円、卵、円錐、円筒、棍棒形など多様で、
日本では長円錐から長円筒形、一部丸形が主流です。
本来は冷涼性の野菜ですが、温度適応性の幅が広く、
一年中食べることができます。
晩秋から冬が旬で、寒さが増すごとにみずみずしく、
甘さが強くなります。
生産量の多い地域は、北海道、千葉、青森、宮崎、鹿児島、
神奈川の各地。旬の時期は、宮崎県産がもっとも多い。
選び方のポイントは、皮がしなびてなく、白色の艶やかなもので、
ずっしりと重たいもの。
傷むのが早い野菜なので、新聞紙などに包み保存すると
長もちします。
品質改良により、外側がピンク色を帯びた赤い色で、内側は白く、
皮ごと食べられる“レディーサラダ”といサラダ専用に
開発された大根などもあるようですね。
◆「大根料理」
著者:遠藤十士夫 価格: 3,990円
先附からデザートまで、大根づくしの料理集!!
惣菜料理、日本料理の献立にもつかえる大根の魅力をたっぷり
掲載した一冊。
お客様に“感動”を伝えたいと仕事を続けてきた遠藤氏。
大根料理を300種類以上考案し、どれも実際にお客様に
喜ばれたものばかりです。
本書では、その中から111品を選び、これまでにない味や
食感の大根料理をご紹介しています。
献立の中でも、蓋を開けた時の一瞬が楽しめ椀もの。
本書では、12種類の椀ものをご紹介しています。
たとえば、“白梅大根鶯椀”。
エンドウ豆のすり流しに、梅形にむいた大根を浮かべた一品。
エンドウ豆のやさしい黄緑色がこれから迎える春を感じさせて
くれる椀ものです。
すりつぶしたエンドウ豆に鶏ガラでとったダシでのばし、
ベシャメルソースを加えているので、少し洋風な味わいなのか
気になります。
梅が咲き始める今頃にはピッタリですね♪
巻末には、大根料理の基礎技術、あしらいもの種類と技法も掲載。
本書をヒントに、新たな大根料理に出会えるのを楽しみに
しています。
◆「酒菜 第3巻」
著者:柴田書店 価格: 4,620円
「酒菜」シリーズの第3巻。
プロが教える簡単でおいしい酒菜を509品掲載した一冊。
本書でも、“大根”をつかった料理を26品ご紹介。
たとえば、“菜の花と鱈子の大根パスタ”。
1cmの輪切りにした大根を桂むきしにし、パスタに見立てた麺を
つくり、菜の花とタラコと一緒にバター、醤油で炒めた一品。
見た目は、普通の麺に見えるので、食べたときの食感の違いが
おもしろそうです。
大根を桂むきするときは、薄すぎないように一定の厚さ
(1.5mmくらい)にし、大根の食感を残すのがポイントです。
「肉・卵」「魚介・海藻」「野菜及びその加工品」「穀類」の
4項目別に掲載の素材別の索引も、便利です。
シリーズ第1巻「酒菜」、第2巻「続・酒菜」も好評発売中です。
◆「酒菜 居酒屋の料理476」
著者:柴田書店 価格: 4,620円(税込)
◆「続・酒菜(532品)」
著者:柴田書店 価格: 4,620円(税込)
◆「中村勝宏の酒の肴83」
著者:中村勝宏 価格: 2,100円
現地のフランス料理を知り尽くした中村シェフが、
居酒屋顧客向けにエスニックの要素も取り入れた
新しいメニュー83品を提案した一冊。
本書でも、大根をつかった料理を6品ご紹介しています。
◎紅心大根とかぶのマリネ
◎大根のベーコン巻きステーキ、きのこソース
◎オックステールと大根のポ・ト・フ仕立て
◎切り干し大根と鶏もも肉の煮込み
◎野菜の大根ロール巻きピクルス、菊花漬け
◎各種大根のサラダ、オリーブ油と柚子の香り
たとえば、“切り干し大根と鶏もも肉の煮込み”。
素朴な切り干し大根と鶏肉のぶつ切りをトマトベースのソースで
煮込み、タバスコとアリサ(トウガラシのペースト)でピリっと
した辛さの一品。
切り干し大根の独特な風味とコクが味わえ、
食感も楽しめそうです。
フランス料理の要素を残しつつ、簡単につくれるように
工夫された料理は新たなメニューづくりに参考になります。