独特な香りと苦みをもつ春の食材“フキ”。
フキは、キク科フキ属の多年生草本。
セリ、ウド、ミツバなどの数少ない日本原産の野菜の一つで、
中国や朝鮮半島にも自生しています。
ハウス栽培などで、周年出回っていますが、
本来は4月から6月ころが旬。
茎は寒さに強い地下茎で、そこから地上に長い葉柄の上に
大きな葉がつきます。
日本での栽培の歴史は古く、自生のものからほとんど品種分化が
みられずにいくつかの古い品種がそのまま栽培されています。
生産地は、群馬県、愛知県、徳島県、福島県、大阪府など。
現在栽培されている品種は“愛知早生”“水フキ”“秋田ブキ”
など。
現在市場に出ている品種は、200年近く前に尾張で発見された
葉柄が長くて太く、早生で収穫量も多い“愛知早生”が
ほとんどです。
水分が多く、ビタミン類やミネラルなどの栄養成分は少なめ
ですが、繊維質も豊富で胃腸の調子を整える働きがあります。
フキは、あまり日保ちがしないので、そのつど使いきるか、
水煮にして低温で保存するといいそうです。
食卓に春をそえる一品にぜひ。
◆「野菜料理」
著者:野崎洋光 価格: 5,040円(税込)
前菜からデザートまで、45種類の野菜からつくる、
364品の日本料理を掲載!!
本書では、前菜、煮物、ご飯ものなど9品のフキの料理を
ご紹介しています。
たとえば、“穴子筏焼き”。
10\x{339d}ほどの長さに切りそろえたフキをいかだ状に並べたタレで
焼いた上に裂いたアナゴと花サンショウを重ね、アンズの蜜煮を
そえた3色の色合いがきれいな一品。
フキ、アナゴ、甘く煮たアンズとの相性が気になります。
そして、“白子の茶漬け”。
漬け地につけたフキとシラス干しとを炊きたてのご飯にのせ
新茶をかけた、シンプルですが、フキの味わいと、
鮮やかな淡緑色がとても上品な感じの一品です。
野菜を料理どう組み込むか、献立作りなど、野崎氏のアイデアが
つまった一冊。
◆「ニューデザートブック」
著者:柴田書店編 価格: 3,045円(税込)
和・洋・中・エスニックの料理人18人による、身近な素材を
つかった創作デザートを238品を集めたレシピ集!!
本書は、フルーツをつかったものから野菜、チョコレート、
ナッツ、お茶などまで、さまざまな主素材ごとに分けて
掲載しています。
野菜をつかったデザートの中で“フキ”をつかったデザートを
3品ご紹介しています。
◎蕗葛茶巾 叩きメロン
◎フキのパネ カライブのソルベ
◎ふきのとうのアイスクリーム ふきのとうの天ぷら、
メープルシロップ和え
たとえば、“フキのパネ カライブのソルベ”。
チョコレート(カライブ)のソルベの上に、4センチから5センチ
の長さに切り、塩ゆでしたフキの穴に溶かしたチョコレートを
入れ、溶き卵、ココナッツファイン(ココナッツを乾燥させた
もの)を順につけ油で揚げたフキを盛りつけた一品。
意外な食材をつかった驚きのデザート、印象に残る盛りつけなど、
食事をしめくくる一皿の新しいデザートのアイデアの参考に
なります。
◆「作ってみる・食べにいく 燻製料理」
著者:今井克宏 価格: 2,940円(税込)
身近な食材・道具をつかって、ご家庭でも楽しめる
燻製料理の本!!
燻製と聞くと、肉や魚類を思い浮かべますが、
旬の野菜や豆腐、ゆで卵など身近な食材を軽く燻製にすることで、
ひと味違ったおいしさに出会えます。
本書でも、フキ・タケノコ・ワラビなど旬の野菜をつかった
燻製をご紹介しています。
たとえば、フキの下処理の仕方。
◎塩をふり板ずりにしてゆで流水で急速に冷やす。
◎皮をむいたら流水にさらす(目安は一昼夜くらい)。
◎アクを抜いたフキは八方だしに漬け下味を含ませる。
◎煮汁で汁がなくなるまで煮込みバットい広げてさます。
その後、ほかの食材などと一緒に燻製にかける。
燻製をすることで、短期間なら防腐効果などもあり保存性が
高くなるそうですよ。しっかり密閉して冷凍しておけば長く
楽しめ、調理素材としても使えて便利。
燻製方法の解説から燻製づくりに必要なもの、
基礎技術の活用(下処理、洗いから乾燥など)、
身近な食材でつくる燻製の行程、燻製料理のレシピも掲載。
「スモークチップ早見表」「各種スパイスの役割」
「燻製に合うソース・ドレッシング類」などもとても便利です。