アーティチョークは、地中海沿岸地域が原産といわれ、
古代ギリシャ人やローマ人に珍重されたキク科の植物。
イタリア、スペイン、フランスで広く栽培され、品種も多く形は、
丸いもの、先端のとがったもの、色は、青や紫色をおびた暗緑色
をしたものなど色や形にも違いがあります。
開花前のつぼみの芯とまわりを覆っている深い刻みの入った
葉の根元部分が食用で、チョークと呼ばれる中心部のけばだった
部分(花になるところ)は食べれません。
通常、茹でたり、蒸したり、焼いたりと加熱し、葉の部分を
一枚ずつはがし、歯でしごいてて食べます。
芯の部分はサラダや前菜、付け合わせなどにも使われます。
チョーク部分が発達しない小ぶりで紫色をしたアーティチョーク
は生で食べることができるものもあるようです。
アーティチョークは、カリウム、マグネシウムを多く含み、
葉酸も豊富。胆汁の分泌を促し、利尿効果、肝機能を高めます。
アーティチョークのエキスでつくった“チナール”という
リキュールは、ストレスをやわらげて、リラックス効果もあり
昔から薬用として飲まれていたようですよ。
アーティチョークのオイル付けや、ペーストなど加工品も多く
販売されていますが、店頭で生のアーティチョークを見つけたら、
独特のほろ苦さを味わってみてくださいね。
◆「イタリア料理教本・下」
著者:吉川敏明 価格: 4,410円(税込)
イタリア料理の知識と技術を網羅した一冊。
下巻は、肉類の種類や名称、伝統料理のほか、野菜、豆、野草、
香草、スパイス、菓子類などを掲載。
カルチョフィ(イタリア語でアーティチョークのこと)を
つかった料理4品をご紹介しています。
◎カルチョフィのローマ風
◎カルチョフィのユダヤ風
◎カルチョフィのフライ
◎カルチョフィのガーリック・ソテー
たとえば、“カルチョフィのユダヤ風”。
下処理をしたカルチョフィをまな板に軽く打ちつけ花弁と花弁に
すき間をつくり、油で揚げた一品。
葉の一枚一枚が花が開いたようになり、
カラッとした歯ざわりも楽しめそう。
春先になるとローマのテヴェレ川沿いにあるユダヤ寺院のまわり
にあるお店では、かならずメニューに載るそうです。
巻末では、イタリア各州の特徴(料理、お祭り、ワインなど)も
掲載しています。
※「イタリア料理教本・上」も発売中です。下巻と合わせてどうぞ。
◆「イタリア料理アイデア集 アンティパスト」
著者:小林幸司/日高良実/山田宏巳
価格: 3,675円(税込)
3人の人気シェフによるアイデア前菜96品を掲載した一冊。
本書では、シェフそれぞれのアーティチョークをつかった料理を
ご紹介しています。
◎クレシェンツァチーズとアーティチョークのババロア、
ねぎのフォカッチャ添え(小林シェフ)
アーティチョークのピュレとクレシェンツァチーズでつくった
ババロアのさわやかな苦みと、かすかな甘みのあるフォカッチャ
のバランスが絶妙な、これから暑くなる季節にぴったりの一品。
◎アーティチョークの原塩包み、オーブン焼き(日高シェフ)
若いアーティチョクをつかい、葉の間にミントハーブを詰め込み、
原塩または粗塩で包みオーブンで焼き上げた一品。
シンプルだけど、アーティチョークの甘みをおびた独特の苦みが
味わえます。若いアーティチョークなら葉をまるごと食べられる
そうです。
◎季節の野菜と自家製生ハムとモルタデッラのムース(山田シェフ)
アーティチョーク、ねぎ、アスパラガス、小かぶ、ピーマンなど
の季節の野菜と自家製ハムが一つの皿で楽しめる一品。
生のもの、茹でたもの、焼いたものなど、さまざまな素材温度や
食感が楽しめます。
ブロードのレシピ、チーズやイタリアの加工食品の説明、シェフ
それぞれのアンティパストについての考え方なども
掲載しています。
メイン料理にも、お酒のおつまみにも役立ちます。
◆「おいしいイタリア野菜料理教室」
著者:パンツェッタ貴久子 価格: 1,890円(税込)
サラダ、ブルスケッタ、オーブン焼き、煮込み、パスタ、
フリッタ、保存食などまで、野菜をつかい手軽に
イタリア家庭料理が楽しめる一冊。
本書では、まるごと煮るだけの“アーティチョークの鍋煮”を
ご紹介しています。
アーティチョークの中心部に指で少し開き、
内側の硬く赤いものと、チョーク(花になる部分)をとりだし、
ハーブとニンニクを詰めてやわらかく煮込むだけと下処理も
調理も簡単です。
エキスが溶けこんだスープもおいしく食べれます。
豊富なプロセス写真のほか、調理のコツや素材、調理道具などの
説明なども掲載。
つかわれている野菜は日本でも手に入るものばかりなので、
おすすめです。