アナゴは、ウナギ目アナゴ科に属し、細長い円筒形の体型。
マアナゴ、クロアナゴ、ハナアナゴ、ギンアナゴ、オキアナゴ、
コウゴンアナゴなど多くの種類が生息しています。
一般にアナゴといえば、食用として味がよく、漁獲量も多い
マアナゴを指し、ほかの種類のものは、加工品などになります。
産地は大きく分けて、関東では、東京、神奈川、千葉などを含む
東京湾内、関西では、神戸、泉南などを含む大阪湾内。
ほか宮城、福島、愛知、山口、長崎など各県。
韓国からも輸入されています。
アナゴのおろし方は、ウナギと同じで、関東では背開き、
関西では腹開きにします。
4月から6月頃にはノレソレ(アナゴの稚魚)も出回っているので、
酢味噌やポン酢などでいただくのがおすすめです。
焼く、煮る、寿司種としても万能な“アナゴ”を掲載した本を
ご紹介します。
◆「刺身百科」
柴田書店編 価格: 4,830円(税込)
東北から九州までの料理旅館、料亭、割烹、魚料理店それぞれの
地方性を加えた刺身を素材ごとにわけ、プロセス写真付で基本の
おろし方、掃除の仕方、料理を掲載した一冊。
本書では、料理、刺身の盛り付けなどアナゴをつかった5品を
紹介しています。
たとえば、“穴子の焼き霜造り”。
バーナーで焼いたアナゴをたっぷりの氷を敷き詰めた器に
盛り付け、梅肉醤油で冷やした状態でいただく一品。
アナゴは、ぬめりをよく取り、バーナーであぶることで旨みと
食感を最高に仕上げることができます。
そして、料理名が少々怖いですが、アナゴをつかった椀物
“穴子の煮殺し”。
細切りにしたごぼう、人参、青葱と骨切りしたアナゴに熱々の
だしをかけ、表面にほんのり火が入った状態でいただく一品。
ハモより皮のやわらかいアナゴをつかうほうが、野菜との食感の
組合せを楽しめるそうです。
ほか、道具、下準備、基本の下ろし方、造り方、飾り切り、
昆布締めなど、しっかりと学べる“刺身の基本”も掲載して
います。
◆「くずし割烹 調味醤油で素材を活かす」
著者:枝國栄一 価格: 2,940円(税込)
新感覚で解釈した和食。
人気割烹店「くずし割烹技魯技魯」のオリジナル調味醤油で
素材を生かした料理をくずし(お客様にインパクトを与える
料理の意味)に始まり、向附からデザートまでのコース仕立て
で掲載した一冊。
本書では、“穴子とだだ茶豆のかき揚げ 南瓜ソース添え”を
紹介。
アナゴは、だだ茶豆と同じ大きさに切りかき揚げにし、
カボチャのソースの上に盛り付けた一品。
甘みと旨みのある食材を足し合わせた、食感も楽しめ、
積み重なるように盛り付けられたかき揚げも素敵です。
料理の世界に進むとは思っていなかった著者が、知恵と工夫を
こらし、新感覚和食で人気割烹店になるまでの経緯、著者の
“くずし”料理への思いも掲載。
料理の盛り付けなどもご参考に。
◆「料理長がこっそり教える酒の肴」
柴田書店編 価格: 1,680円(税込)
和、洋(仏、伊)、中の10人の料理長に日本酒、ビール、
ワインに合うおいしい酒の肴110品を掲載した一冊。
本書でも、アナゴをつかったおいしい酒の肴3品を紹介して
います。
◎穴子の変わり蒲焼き
◎穴子のそば巻き
◎穴子となすのサラダ
たとえば、“穴子の変わり蒲焼き”。
水切りした豆腐に卵、砂糖、醤油、すりゴマを加え、
開いたアナゴにのばしてのせ油で揚げた後、タレをつけて
オーブンでこんがり焼いた一品。
一度下揚げすることで豆腐の水分が抜け、アナゴと豆腐の
香ばしさが増すそうですよ。
お酒の肴としてだけでなく、ご飯のおかずにも役立ちそうな料理
が満載ですよ。
◆「続・料理長がこっそり教える酒の肴」
柴田書店編 価格: 1,680円(税込)
「料理長がこっそり教える酒の肴」の続編。
日本酒、ビール、ワインに合う肴料理93品のほか、
酒席の締めにおすすめのデザート17品を掲載。
本書にも“穴子の煮こごり”“穴子の洗い、芥子味噌がけ”の
2品を紹介しています。