ひとくち口にふくめば、生地にふくんだシロップや洋酒が、
ジュワーとあふれ出す“サヴァラン”。
サヴァランは、発酵させた生地をサヴァラン型(王冠の形)に
流しいれて焼いた後、リキュール、シロップをしかり吸収させて
クリームなどで飾りつけたシンプルなフランスの焼き菓子。
18世紀中頃にクグロフにラム酒をかけた“アリババ”という
お菓子が誕生しました。
これが“ババ・オ・ロム”と名づけられてヒット。
ロムとはラム酒のことです。また、
別の店でつくられたものが、美食家のブリヤ・サヴァラン氏の
名を冠して“サヴァラン”と呼ばれるようになりました。
サヴァランとババの区別は?
ババの生地には必ずレーズンが入り、ラム酒が必須です。
サヴァランは、レーズンが入らず、お酒はさまざまなものが
つかわれます。
お酒をお好みのものにしたり、お酒が苦手な人や、子ども達には、
ジュースなどをつかっても美味しそうです。
ひんや?り冷やしたサヴァランは、夏にもおすすめです。
著者:大阪あべの辻製パン専門カレッジ 川北末一
価格: 6,825円(税込)
専門カレッジの指導方法に基づき、
フランス菓子のスタンダードから伝統的な菓子まで、
生地ごとに分類し掲載。
簡単な基本生地から応用生地へと、
わかりやすく、しっかり学べる一冊。
本書に掲載の礫サヴァラン”は、生イーストをつかった生地、
ラム酒、飾り用にクレームシャンティ、フルーツを盛り付けた
基本的な一品。
レシピは、直径15cmの型1台と直径5cmの型15個分が
つくれる量を掲載。
生イーストに加える水や卵の温度、
サヴァランの特徴であるシロップのしみこませ方など
ポイントを掲載し、多くの手順写真とあわせて
細部までわかりやすく解説しています。
ほか、菓子の演出法(ラッピング)やコーヒー、紅茶の抽出法、
製菓用語集など、フランス菓子の周辺知識も掲載しています。
価格: 2,520円(税込)
ケーキづくりの素朴な疑問や深く知りたい内容などを
豊富なプロセス写真とともに掲載。
レシピだけでなくお菓子の由来などもご紹介しています。
本書では、春日部で「菓子工房 オークウッド」を経営する
横田シェフがつくる2種類の“バナナのサヴァラン”を
掲載しています。
カフェで提供する“バナナのサヴァラン”は、
アングレーズソースの上にシロップたっぷりのサヴァラン、
バターとラム酒でソテーした熱々の輪切りのバナナを重ね、
アイスクリーム、クルミのカラメルソースをかけた
冷たさと温かさを一緒に味わう一品。
テイクアウト用の商品としての礫バナナのサヴァランは、
サヴァランを半分に分け、クレーム・ディプロマット
(泡立てた生クリームとラム酒入りのカスタードクリームを
あわせたもの)、粗いピュレ状にしたバナナのフランベを
分けたサヴァランの間にはさみこんだ、まとまりやすく
安定感のある一品。
ほか、フランス菓子の生地の由来、ベルギーの老舗店で
チョコレートづくりを担当したパティデシエの3種類の
ボンボンショコラのつくり方、技術、ポイントを公開。
お店で取り入れたいシュガークラフトなども掲載しています。
価格: 1,260円(税込)
cafe-sweetsのバックンバンバーです。
本号の特集は「enjoy! Coffee!」
コーヒー豆の質、焙煎、抽出などコーヒーをつくる上での
大切な基本、おいしいコーヒーを楽しむシチュエーションなど
さまざまな店の空間づくり、提供方法をご紹介しています。
本書の連載「クリスティーヌ・フェルベールさんに学ぶ
アルザス菓子の1年」の第24回では、
古典的な家庭のデザートである礫サヴァラン”を掲載。
アルザスのフランボワーズ酒をたっぷり吸い、
フロマージュ・ブラン(さわやかな酸味のあるチーズ)を
合わせてクリームと生のフランボワーズを飾った
とてもキュートな一品。
フェルベールさんは、
ドライイーストと牛乳をつかって生地をつくります。
牛乳を入れることで、しっとりした生地になり、
それをしっかりこねて発酵させると、
シロップをしっかり吸収するキメの細かく弾力のある生地に
なるそうです。
イーストも生のものでなくドライイーストをつかうので、
ご家庭でも手軽につくれますね。
あわせて、ローズ色のクリームを添えた
メレンゲ菓子“メレンゲのクープ”
もご紹介しています。