あんずの種の中にある仁核の皮をむき、
水と一緒にすりつぶし、搾った白い汁を
固めてつくる杏仁豆腐。
中国楼料理店などのデザートとしても人気です。
薬膳素材などにつかわれる杏仁には、
北杏と南杏の2種類があります。
北杏は、小粒で苦味と香りが強いビター系。
南杏は、粒が大きくスイート系。
杏仁豆腐では、南杏をメインにつかい、
北杏を香りプラスすると深みのある味になるようです。
今週は、アジアの香りを存分に味わう、
杏仁豆腐を掲載した本をご紹介します。
著者:謝華顕 価格: 1,890円(税込)
伝統スイーツからモダンスイーツまで、
おいしくて身体にやさしい、香港スイーツ55品を掲載。
本書では、2品の杏仁豆腐をご紹介しています。
◎杏仁凍豆腐(杏仁豆腐)
苦味と香りの強い“北杏(ビター種の杏仁)”を多めにつかい
シロップはなしで、少し固めのスッキリした味が楽しめる杏仁豆腐。
器に盛りつけクコの実と香菜を飾った一品。
◎豆乳杏仁豆腐(豆乳風味の庵印豆腐)
市販の「杏仁豆腐の素」をつかい手軽につくれる杏仁豆腐。
さらに豆乳を加えて、風味と舌触りのまろやかさをプラス。
たっぷりのシロップとともにいただく、やわらかい一品。
スイーツにつかわれる素材も写真つきで解説。
上手に取り入れたい薬膳素材の効能例も掲載しています。
伝統技術と現代的なオリジナリティの双方を追及し続け、
広東料理の伝統を受け継ぐ聘珍楼総料理長による
香港スイーツが味わえる一冊。
著者:吉岡勝美 価格: 5,460円(税込)
切る、生地をのばすなどの「基本の動作」から
「下準備と仕上げ」、「基本の調理」「点心」
「麺とご飯」の構成。
写真を多様し、初心者でもわかりやすい
目で見て学ぶ中国料理の基礎本。
本書では、基本の調理の項のゼラチン事例として、
同量の南杏と北杏をつかい、生クリームを加えた
とろんとリッチな杏仁豆腐をご紹介。
ガラスの器に盛りつけ、カラメルをかけた一品。
ゼラチンのもどし方、カラメルのつくり方も掲載。
ほか、焼き物用ソース、ラーメンのタレ、チャーシューなどの
“サブメニューのつくり方”、
下処理、さばき方、写真つき“材料一覧”、
香り油、自家製調味料のつくり方も掲載。
調理、生地づくりなどのポイントや
失敗例(写真つきQ&A)も役立ちます。
◆「ニューデザートブック」
柴田書店編 価格: 3,045円(税込)
和・洋・中・エスニックの料理人18人の、
創作デザート238品を紹介したレシピ集。
素材別の使いやすい構成。
本書では、中国料理、ベトナム料理店の
お酒をつかった大人味の杏仁豆腐を2品ご紹介。
◎杏仁豆腐、サンザシ風味の苺のソース
甘酸っぱくやさしい味のサンザシ酒をイチゴに加えたソースを
たっぷりとかけ、スライスしたイチゴを飾った一品。
杏仁豆腐のやさしい甘みを引き立て、彩りも鮮やかです。
メニュー名、文章内のサンザシは、
山●子(●は辺:木、つくり:査)。
◎杏仁豆腐
杏仁豆腐とシロップの両方に、アーモンドの香りをもつ
“アマレット(イタリア特産のリキュール)”を
つかった濃厚な杏仁豆腐。
グラスに入れ冷し固めた杏仁豆腐の上にシロップをかけ
ミントの葉を一枚飾った、とてもシンプルだけど
しっかり冷して食べたい一品。
素材別の使いやすい構成で、盛りつけなども参考になる
一冊です。